シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

「ロッキー3」(一部ネタバレあり) ハルク・ホーガン出演シーンをぶった斬って、クラバーの少年時代のエピソードなどを盛り込めば、良い映画になったと思う。

 

8月18日、自宅で「ロッキー3」を鑑賞。

今回も「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ」の予習のためである。

 

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1982年公開。

製作国はアメリカ。

 

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前作「ロッキー2」でアポロを下し、

見事世界チャンピオンになったロッキー。

 

その後も順調にタイトルを防衛することで莫大な金が入り、

ロッキーの生活は、本格的に様変わりした。

 

そんな中、世界チャンピオンを目指す一人の野心的な男が、

ロッキーに挑戦状を叩きつけ、

ロッキーとの世界戦が実現する・・・という、あらすじ。

 

-----------

 

このシリーズ3作目については、

僕は全くの初見である。

 

初代作やロッキー2、

そしてロッキー4などと違って、

テレビで放映されていたものを、

途中からでも何気に断片的に見た、

という事もない。

 

もう当時の事を詳細には覚えていないのだが、

昔、少年ジャンプか、

コロコロコミックだかの何らかの少年雑誌の巻頭特集で、

「ロッキー」シリーズが取り上げられていて(恐らくロッキー4の公開前だったような気がする)、

3作目の敵がモヒカンの黒人であるという事と、

当時、「イチバァーン!」の掛け声で、

日本でも大変な人気者であったプロレスラーのハルク・ホーガンが出演している、

という情報だけは、

僕の脳裏にしっかりと焼き付いている。

 

ハルク・ホーガン↓若い人には馴染みがないだろうが、僕も大好きだった超人気レスラーである)

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そんな「ロッキー3」の感想であるが、

僕の印象としては、

1と2に比べると、

「作品としての品格」が、かなり落ちている印象だ。

 

まず、今回のロッキーの宿敵となる、

「特攻野郎Aチーム」というテレビドラマシリーズ(これも若い人は知らないだろう)でもお馴染みの、

ミスター・T演じるクラバー・ラングについてだが、

非常に個性的なルックスと、わかりやすいキャラクターで印象に残る反面、

やはりアポロ・クリードが携えていたオーラというか、

ある種の威厳を感じさせるキャラクターに比べると、

彼はどうしても「永遠の中ボス止まり感」から抜けきれない印象がある。

 

(ミスター・T↓)

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このクラバーの粗野で、荒々しい言動が目立つキャラクターが、

どのような少年期を経て形成されていったのか、

という背景が、今作で少しでも描かれていれば、

すっかり裕福になったロッキーとの対比になり、

今回のドラマに重厚なものをもたらした可能性がある、

と僕は思ったのだが、

彼は最初から最後まで、

終始ロッキーのことをディスっているだけなので(これがとにかくうるさい)、

モヒカンという髪型も相まってか、

北斗の拳における雑魚キャラのようなイメージとかぶさってしまい、

どうしても、ある種の「小物」というイメージでしか彼を見ることができなかった。

 

そしてハルク・ホーガンの出演シーンであるが、

これが中々にヒドい。

 

ハルク・ホーガンというキャラクター自体は個人的に好きだが、

僕としては、

今までの「ロッキー」という作品から滲み出ていたある種の暗さと泥臭さ、不器用さに、

多少なりとも惹かれていた部分もあるだけに、

エンタメの権化であるかのような華やかさを纏った彼の出演には、

ただただ違和感を感じさせるものがあった。

 

チャリティーであり、エキシビジョンマッチという名目で、

「ボクシング世界チャンピオンと、プロレスラーの異種格闘技戦」という、

まるでかつての「アントニオ猪木VSモハメド・アリ」のような興行が映画内で行われるのだが、

ホーガンの「ただのエキシビジョンという事を忘れているかのような」暴れっぷりに、

興醒めしてしまう。

 

まだチャンピオンベルトを保持している現役ボクサーを担ぎ上げて、

客席に放り投げるなど言語道断であり、

一歩間違えば訴訟問題に発展するだろうに、

試合が終わった後のロッキーは、

ホーガンに「一緒に記念撮影を」とせがんでいる。

 

「チャンピオンになってハングリーさが無くなり、変な方向に向かっているロッキー」

の姿をあらわす象徴として、

このような余興的なシーンも取り入れたのだとは思うが、

僕としては「本当に必要だったか?このシーン」と、

甚だ疑問に思った次第である。

 

何より個人的に嫌気が差したのは、

この作品には、劇中挿入歌として、

SURVIVORというハードロックバンドの

「Eye Of The Tiger」という曲が使われているのだが、

アポロがロッキーに向かって、

しきりに「お前はハングリーさを忘れている!

虎の目になれ!虎の目だ!虎の目だ!」

といった事を叫ぶ部分である。

 

虎の目・・・。

 

要するに英語で「Eye Of The Tiger」なのだが、

まるでアポロがこのフレーズを連呼する事で、

楽曲のプロモーションも兼ねているようで(というか、恐らくプロモーションなのだろう)、

僕としては、

露骨に商売に走っている今作に対して、

なんともいえない嫌悪感を抱いた。

 

ちなみに「Eye Of The Tiger」という曲自体は素晴らしい曲である。

これを読んでいる皆さんも間違いなく、

一度はどこかで聞いたことがあるであろう、

イントロが超絶印象的な名曲だ。

 

曲のタイトルだけ見てわからなくても、

聴けば「あー!これか!」と一発でわかると思う。

(↓SURVIVOR「Eye Of The Tiger」。

再生回数8億回超えのモンスター楽曲である)

 

この頃、主役を務めるスタローン自身も、

かつての無名俳優から、

すっかりハリウッドスターに出世して、

かつてのように、瑞々しい情熱と感性の赴くままに映画作りに取り組むよりも、

本人が望む望まないはさておき、

業界的な付き合いや、

ビジネス的展開を重視した映画製作手法に移行していたのだろう。

 

この作品には、

そういった「商売の匂い」が漂っており、

ストーリー自体は悪くないものの、

個人的には好きになりきれない。

 

僕の評価は100点満点で、52点。

 

ただ、この作品で、

アポロとの間に真の友情が芽生えた事は、

この次の第4作目において大きな意味を持つ事になると思うので、

やはり見ておくに越した事はないのかな、

とも思ったりした。

 

本作の個人的ツッコミどころとしては、

ハングリー精神を思い出すために、

ロッキーが、アポロの勧めで、

若かりし頃のアポロが汗を流したスラム街にあるジムに通い出したのはいいものの、

そこにわざわざエイドリアンも連れて来させたところ。

 

いや、本当にストイックに練習したいのなら、

奥さん連れてきたらダメでしょ(笑)。

 

あとは、エイドリアンの兄のポーリーが、

いつにも増して、うるさかった。

 

ポーリーもなぜかロッキーの練習場所についてきたのだが、

来るなり文句ばっかり言ってて、とにかくうるさかった。

 

「じゃあおっさん、もう帰れや」と思ったくらい(笑)。

 

映画の最初の方の、

ロッキーが描かれたピンボール台を、

ポーリーがぶっ壊して、

留置場までロッキーが迎えに来る、

というくだりも、全然必要ない描写と思ったし・・・。

 

確実に、1と2より見劣りしてしまう3作目であった。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

「ロッキー2」(ネタバレあり) 今回も「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ」の予習としてロッキーの過去作を鑑賞。

 

8月18日、自宅で「ロッキー2」を鑑賞。

 

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1979年公開。

製作国はアメリカ。

 

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アポロとの世界戦で敗れはしたものの、

試合前の下馬評を覆す壮絶な試合を戦い抜いた

ロッキーは、一躍有名人となり、

彼の元にはCMのオファーなどもあって、

多額の金が舞い込むことになる。

 

恋人であったエイドリアンとも結婚。

 

車や高価な服、腕時計を買い、

新居も手に入れたロッキーは、幸せの絶頂であったが、

アポロ戦でのダメージも大きく、

医者からは「ボクシングはやめた方がいい」と言われ、

普通の仕事に就いて生計を立てようとする。

 

そんな中、一方のアポロは、

ロッキーに勝利はしたものの、

微妙な判定結果に不満を覚えた一部のファンからバッシングを受けることになる。

 

アポロは、そのような批判を一蹴すべく、

ロッキーとの再戦を熱望。

 

そして、勤めていた精肉工場を解雇され、

ジムの裏方仕事でくすぶっていたロッキーは、そのオファーを受ける事を決意。

 

2人の再戦の行方は・・・という、あらすじ。

 

--------ーー

 

結論から言うと、個人的には、

前作より退屈することなく楽しめた。

 

この「ロッキー2」は、

観客動員数も、世間一般の平均評価点数も、

前作に及ばないが、

僕としては、前作より物語の進むテンポ感が良いと思うし、

レーニングシーン、試合シーン共に、

前作よりダイナミックに、そして濃密に描かれていると思う。

 

話の内容としては、前作同様ベタである。

 

お金を手に入れて、

ひととき良い身分になったものの、

時間が経つにつれ、どこか燃焼しきれない生活に戻り、

かつての対戦相手の挑発に乗るかたちで、

再びリングに上がるという、

ある部分、スポーツ系ドラマの王道とも言える脚本だ。

 

最終的にロッキーは、

アポロからKO勝ちを奪い取り、

この2人の因縁の対決には区切りが打たれる事になるので、

僕としては、初代作と、この「2」は、

セットで一本の作品である、という印象を抱いている。

 

今作のトレーニングシーンについてだが、

前作の演出をベースにしていて、

基本的にやっている事は前作と変わらないのだが、

前作とは違い、

ランニングに励むロッキーの後を、沢山の子供たちが追いかけてくる。

 

僕はこのシーンが大好きである。

見ていると、なんだか元気が出てくる。

 

あの有名な、フィラデルフィア美術館の階段を駆け上がる場面では、

「社会現象?!(笑)」と思えるほどの大勢の子供たちが押しかけ、

何度か断片的に見たシーンであるにも関わらず、

あらためて、これにはちょっと笑ってしまった。

 

子供を無事産んだものの、

過労による合併症で昏睡状態に陥っていたエイドリアンが、

長い眠りからようやく目を覚ました後、

ロッキーの耳元で「勝って」と呟いてからの、

そこからモチベーションが低下していたロッキーの闘志に火がつき、

レーニングに遂に本腰を入れ始めるという、

このあたりの演出も実に良い。

 

ここの流れは、男ならば、見ていて否応なく燃えるものがあるだろう。

 

最後の対決に関しては、

普通に考えたら、ヘビー級の試合で、

開始からあれだけ顔面にパンチを食らったら、

早い回にダウンして、KO負けしてしまうのは間違いなく、

冷静に見るとツッコミを禁じ得ないし、

そもそも試合前からすでに右目の視力に問題があるロッキーが、

今度は浮ついた気持ちなしで、

全力で練習に取り組んできたアポロに勝てるとは、

常識的にはどうしても思えない。

 

・・・のだが、

ここはロッキーマジックというか何というか、

見ていると、そんなツッコミ要素は途中からどうでもよくなって、

やはり気持ちが熱くなってしまうのだ。

 

ただ、最終の15ラウンド目で、

この日、ロッキーがアポロを撹乱させるために、

あえて使わないでいたサウスポーの構えを取った時は、

さすがに、

「いや、いくらなんでも15ラウンド目は遅すぎるやろ(笑)。

もうちょっと前のラウンドで、その作戦に切り替えろよ。

ロッキーもうフラフラやん。」と、

ここはかなり強めにツッコまさせていただいた。

 

僕の評価は100点満点で、84点。

 

最後にちょっとしたツッコミだが、

映画の前半で、

結婚式を終えて徒歩で帰宅するロッキーとエイドリアンは、

外で焚き火をしながら、

アカペラで歌を歌っている若者連中と出くわす。

 

ロッキーは「俺たち、さっき結婚したんだ。お祝いに何か歌ってくれ」と、

その若者たちに依頼し、

若者たちもすぐさまその依頼に答え、

2人のために歌い出すのだが、

ロッキーはその場で歌に聴き入るのかと思いきや、

踵を返して、すぐさまその場から立ち去る(笑)。

 

「いや、歌ってくれって言っときながら、すぐ帰るんかい。

そして君ら(歌っている若者)も、すぐ帰っていくロッキーに何も思わんのかい」と、

ここは軽くツッコまさせていただいた。

 

ロッキーの適当な性格を象徴するかのようなシーンであった。

 

という事で、次は「ロッキー3」を見る事にしよう。

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

「ロッキー」(ネタバレあり) 2022年8月19日から公開の「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ」に向けて、シリーズを一作目から鑑賞。

 

8月17日、自宅で「ロッキー」を鑑賞。

 

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1976年の作品。

製作国はアメリカ。

 

シルベスター・スタローンの代表作中の代表作、

「ロッキー」シリーズの記念すべき第1作目である。

 

今回は、8月19日から映画館のみで公開される、

「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ」に向けた予習として、

シリーズを一作目から鑑賞してみることにした。

 

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この「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ」の

元となっている「ロッキー4/炎の友情」は、

シリーズ史上最大のヒット作。

 

今回、監督・脚本・主演を務めるシルベスター・スタローンが、

このオリジナルの「ロッキー4」を再編集し、

眠らせていた42分の未公開映像と、

オリジナルの数々のシーンを差し替え、

再編集したことによって、

全く新たな「新ロッキー4」として生まれ変わった、との事。

 

僕自身、

オリジナルの「ロッキー4/炎の友情」は、

中学生くらいの頃に見た経験がある。

 

アメリカとソ連が冷戦下にあった当時の物語で、

ソ連が国家を上げて後押しする科学的なトレーニング法で、

「殺人マシーン」と評されるほどの強さを手に入れたドラゴに対して、

昔から続けてきた「手作り感あふれるトレーニング法」で鍛錬に励むロッキー・・・といった対比や、

民主主義と共産主義の代理戦争といった、

わかり易すぎる対立構図が、

当時、中学生の僕の感性に刺さって、

かなり楽しめた記憶がある(中学生の感性で面白いと思ったので、今これを見て楽しめるかどうかはわからない)。

 

そんなロッキーシリーズであるが、

初代作から3作目までは、僕はほぼ未見である。

 

今まで、それらの作品について、

テレビで放送しているのを断片的に見たような記憶はあるが、

今回取り上げる、記念すべき初代作「ロッキー」は、

僕が生まれる1年前の作品ということで、

今まで、きちんと見る機会がなかったわけである。

 

ちなみに、

この第1作目を製作する前の当時のスタローンは、

30歳目前であった。

 

オーディションを受け続けるも惨敗続きの日々で、

すでに結婚して奥さんがいたが、

妊娠しており、毎日の生活費に困っていた。

 

「もはや俳優業は、風前の灯か」と、

キャリア的には岐路に立たされていたわけである。

 

そこでスタローンは、

「オーディションで選ばれないなら、自分が主演する映画を、自分で作ればいい」と、

自ら脚本を書き、映画会社に売り込む。

 

スタローンは、生まれつき言語障害を持って生まれており、

少年時代は、その障害のせいで内気になり、

口が歪んでいる見た目の問題も相まって、

他の子供たちからのイジメの対象になっていたらしい。

 

「ロッキー」は、

そんな逆境にまつわる苦しみを乗り越えて大人になりつつも、

なお俳優として重大な局面に立たされていた、

若きスタローン自身の姿を投影したかのような作品であり、

人生の起死回生を望む彼のハングリーさと、

情熱が叩き込まれた、

まさに「入魂の一作」と言えるであろう。

 

・・・というわけで、2022年の今、

僕が見た「ロッキー」初代作の感想であるが、結論から言うと、

 

 

「思ってたより、相当静かで地味」、

 

そして「ちょっとテンポ悪い」、

 

である。

 

さすがに、

世界チャンピオンであるアポロとの最終対決には、

胸が熱くなるものを感じたが(けど冷静に見ると、なんだかこの辺りも、クライマックスの割にはそんなに尺を取ってなく、演出的にもどことなく淡白さが目立つ)、

 

やはり2022年的視点で本作を見てみると、

古臭さは致し方ないとしても、

とにかく「地味」である。

 

今の若者世代は、動画の類いであれば、

けっこうな割合の者が、

早送り再生で「効率よく」見ようとする傾向があるらしいが、

おそらくそのような世代にとって、

この初代「ロッキー」を標準再生速度で、

じっくりと腰を据えて頭から終わりまで見るのは、

おそらく無理だろう。

 

映画的には、

宿敵アポロが登場するあたりから、

展開的にいよいよ面白くなってくると思うのだが(といっても、やっぱり終始地味)、

それまでの、

ロッキー・バルボアという人間の人物像を把握するための「前置きシーン」の数々に関しては、

僕自身も冒頭十数分で、

早くもある種の「かったるさ」を覚えてしまい、

「あー、これ、今の若い子たちはもう見てられんだろうなあ」と思った。

 

僕の評価は100点満点で、65点。

 

思ってた以上の淡々とした作りは、

意外であったが、別に落胆はしていない。

 

1970年代の映画なんて、

他も大体こんな感じである。

 

今の時代の作品に比べると、

凝りに凝ったといえるカメラワークもないし、

BGMを絡めた演出も少ない。

 

アクションシーン、会話シーン共に、

この頃の映画は、最近の映画と比べて、

相当に地味に感じるものが多いだろう。

 

結末もなんとなく知っていた話なので(最終的にロッキーは判定負け)、

さほど感動することもなかったが、

この原点を通過しないと、ロッキーの何たるかを語ることができないので、

僕としては見るべきだと思った。

 

途中、ロッキーが他の登場人物たちと口論になっているシーンがあるのだが、

その時ふと、

「もしかしたら、この映画、日本語吹き替えで見た方が、感情移入できて面白く感じるんじゃないか?」

と思ったりした。

 

とまあ、若干腐し気味ではあるが、

「三流ボクサーが千載一遇のチャンスに巡り会って、人生を変えようとする」

という話の内容自体は、

時代を超えて人を惹きつけるものがある。

 

脚本自体は、すごく良いと思う。

 

今の僕が見てみたら、

お世辞にも「傑作」とは思えなかったが、

この作品は、

無名俳優であったスタローンの人生を変え、

これを見た多くの人の人生にも影響を与えたので、

色々な意味で「映画史に残る重要作」である事は間違いない。

 

そして誰もが知る「あの曲」を生み出した、

という意味においては、紛れもない大傑作だろう。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」(核心部のネタバレはなし) 残念ながら、個人的には2作目「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」と双璧を成す凡作。

 

8月9日、なんばパークスシネマにて、

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」を鑑賞。

 

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2022年公開。

製作国はアメリカ。

 

いきなり私事で恐縮だが、

先日の記事でもご報告したように、

この映画を見終わった約6時間後、

夜の8時あたりから発熱の症状が始まって、

翌日、検査したところ、新型コロナウイルスの陽性反応が明らかになった。

 

この映画を見ていた午前中から昼間にかけての時間は、

体調も良好、発熱もしていなかった事を、

誤解を生みたくないので、念のため強調しておきたい。

 

というわけで、今作品についてだが、

ジュラシックシリーズ第6作目であり、

この作品が最終章である。

 

前作「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の最後のシーンで、

メイジーという少女が取った、

(僕的には)ありえない行動によって様変わりしてしまった世界を描く。

 

見に行く前、

Yahoo!映画でのレビューの平均得点があまり芳しくない事に懸念を抱いていたが、

実際に作品を見たところ、

まさにその通りであった。

 

感想は、一言で言うと「長い」である。

 

上映時間は2時間半弱と、

すでに物理的に長いのであるが、

前半の特に退屈な、

まるでスパイ映画のような展開には閉口した(スパイものが苦手とか嫌い、という意味ではない)。

 

「いや、俺はジュラシックシリーズにおいては、こういうのを見たいわけじゃないんだけど・・・」

という気持ちになったし、

最終回ということで、

監督の気合が入りすぎた(知らんけど)のが裏目に出たのか、

作品全体について、僕が抱いた印象としては、

「色々詰め込みすぎて、結果、薄味かつ冗長な展開になってしまった」

という感じだ。

 

遺伝子操作されたイナゴ、

恐竜を管理する会社の思惑、

さらわれたメイジーヴェロキラプトルの子供の救出、

恐竜の闇取引市場への潜入、

メイジーの出生の背景、

久しぶりのグラント博士とサトラー博士の復帰・・・などなど、

この1本の中に様々な要素があり、

こうなってくると状況説明、背景説明に要するシーンが増えてくるのは必然である。

 

記念すべき第1作目「ジュラシック・パーク」は、

エンジンがかかり出したら、

途中、ブラキオサウルスと戯れるという休憩パートがあったものの、

最後まで余計な説明要素が介入しない

「ノンストップホラーアクション展開」であったので、

まさに作品に没頭する感覚で鑑賞したものだ。

 

2015年公開の「ジュラシック・ワールド」でも、

原点回帰的に、一作目に通ずるストーリー自体のシンプルさが復活していて、

僕としても、そこそこ楽しめたわけである。

 

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(「ジュラシック・ワールド」レビューはこちら↓)

https://shingosan.hateblo.jp/entry/2022/08/01/171222

 

僕としては、

あの巨大イナゴの要素か、

スパイ映画的展開につながる恐竜の闇取引要素のどちらかを取り払っていたら(個人的には闇取引の方がいらん)、

もう少し上映時間も短くできて、

引き締まった作品にできたかも、と思ったりしたのだが、

今さらこんな事を言っても仕方がない。

 

初期のメンバーを復活させるのは、

懐かしい気分にさせてくれて良いとしても、

初代作のワンシーンを思い起こさせる、

いわゆるオマージュと言えるいくつかのシーンについては、

どのシーンについても、

今回、僕の目には、もはやセルフパロディのようにしか映らず、

あまり好意的には受け取れなかった。

 

まあ、このあたりを好意的に受け取れなかった根本的理由は、

結局のところ「作品全体として、面白いと思わなかった」からだろう。

 

残念ながら今作は、

「見てて退屈してくる」という意味でも、

「人間社会に恐竜が介入してくる」という意味でも、

2作目の「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」の作風にどこか通ずるものを感じる(見比べたら、全然似てないけど)。

 

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(「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」レビューはこちら↓)

https://shingosan.hateblo.jp/entry/2022/07/28/012144

 

初代作から30年近い時を経てたどり着いたシリーズ最終作であるが、

「長い」という言葉以外に、

語りたいと思わせるものがない作品となってしまったことに、

一抹の寂しさを覚える。

 

要となるアクションシーンも、

イデア枯れが露呈しており(それなりに楽しめるシーンはもちろんあった)、

それに加えて冗長なストーリーを見せられるので、

Yahoo!映画での中途半端な平均評価点数も納得である。

 

僕の評価は100点満点で、45点。

 

今回は、このあたりで切り上げることにするが、

これは僕自身が病み上がりで、

集中力が持続しないから、とかではなく、

本当に語りたいと思うものが、

この作品には何もないからである。

 

振り返ると、このシリーズは、

前々作「ジュラシック・ワールド」で終わらせるべきであったと、

つくづく思った次第。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(ご報告)新型コロナウイルス発症から5日経過。右足から右下腹部あたりにかけて謎の痛み。

 

こんにちは。

いつも当ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

シンゴです。

 

先日、お伝えした通り、

僕は新型コロナウイルスに感染してしまい、

現在、自宅にて療養中です。

 

発症から5日が経ち、熱は平熱に下がったものの、

未だにさまざまな症状に悩まされております。

 

前回の記事でお伝えしましたように、

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」のレビュー記事を、

今日あたりには出せそうだと、

自分なりにタカを括ってはいましたが、

日中も寝たり起きたりの生活の中、

やはり気力、体力、集中力が持続せず、

今の状態では記事としてまとめる自信がないので、

もう少しの間、先延ばしさせていただきたく存じます。

 

ご了承くださいませ。

 

あくまで個人の見解ですが、

本当にこのウイルスは厄介だと思います。

テレビや、動画サイトなどで、

「今の変異株の症状は、普通の風邪レベル」と言った発言をされる、

(おそらく自分はコロナに罹ったことがないであろう)一部医療関係者や、インフルエンサーの方々の発言は、

鵜呑みにされない方が良いと思います。

 

かく言う自分も、自身が罹患するまでは、

そのような影響力を多少なりとも持った人々の言葉に影響されていました。

 

しかし、自分自身が罹患して、

一連の症状を経験した今、

はっきりと言えます。

 

これは「普通の風邪レベル」などではないし、

(僕個人としては)たとえ軽症と定義されている範囲の症状でも、

インフルエンザよりしんどい病気である、と。

 

今、現時点で最も悩まされているのが、

右足大腿部を中心とする謎の痛みです。

 

熱が引いてきた一昨日あたりから、

右足の膝から太もも付近にかけて、

そして強い時には右下腹部にまで及ぶ範囲で、

筋肉痛とは質の違う、

言葉ではなんとも表現しがたい疼痛が続いており、

寝ている時はあまり感じないのですが、

立った時に、その痛みが瞬く間に右足を襲い、

じっとして立つ事が10秒もできないのです。

 

僕は以前から右膝を少し痛めてはいるのですが、

このような特異な症状は、今回初めてなので、

新型コロナウイルスが体に入ってきて、

なんらかの影響を及ぼしているとしか考えられません。

 

この痛みがいつ引いてくれるのか全く予想がつかず、

不安な気持ちで過ごしています。

 

読者の皆さんにつきましては、

この厄介なウイルスに感染し、

発症しないことを切に願っております。

 

ではまた、しばらく休ませていただきます。

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

新型コロナウイルスに感染したため、本日予定していた「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」のレビュー記事は延期します。

 

読者の皆様、

いつも当ブログ「シンゴさん日記」を読んでいただき、誠に有難うございます。

 

私事で大変恐縮ですが、

8月9日の夜から発熱の症状があり、

翌日10日に検査したところ、新型コロナウイルス陽性と診断されました。

 

現在、自宅療養中です。

 

ジュラシック・ワールド/炎の王国」の記事内で、

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」のレビュー記事を、

今週の水曜日か木曜日に投稿すると予告しましたが、

現在も体調が芳しくなく、

ひとまず延期する事にしました。

 

発症の初日から比べると、熱は下がってきており、

2、3日中には更新できると思います。

 

何卒、ご了承くださいませ。

「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」(重要部のネタバレはなし) これを見たら「焦げつかないフライパン」を、一瞬使いたくなくなってしまったのだが・・・。

 

8月6日、

自宅で「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」を鑑賞。 

 

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2019年アメリカ製作。

日本公開は2021年。

 

--------ー

 

アメリカを代表する化学企業である、

「デュポン社」を訴えた弁護士の物語。

 

事の始まりは、1998年、

ロブ・ビロットという弁護士が、

ウェストバージニア州で農場を経営する一人の男から、

ある調査依頼を受けたことから始まる。

 

農場主が言うには、

「デュポン社が廃棄した汚染物質によって、

自分の飼っている牛190頭あまりが殺された」

との事。

 

半信半疑で調査を始めたロブであったが、

デュポン社から入手した資料の中に、

「PFOA」という、馴染みのない単語を見つける。

 

そして、このPFOAを調べていくうちに、

ロブは、デュポン社が40年にも渡って、

この発ガン性のある有害物質を、危険なものであると知りながら、

大気中や河川に垂れ流してきた、

という事実を知ってしまう・・・という、あらすじ。

 

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実話に基づく物語である。

 

これを読んでいる読者の皆さんは、

普段、料理をする人なら尚更だが、

一度は「テフロン加工」や「フッ素樹脂加工」、

という言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。

 

フライパンの商品説明によくある、

食材が「焦げ付かない」「くっつかない」ことを売りにした、

アレのことである。

 

ちなみに「テフロン加工」と「フッ素樹脂加工」は、

加工方法としては同じものであり(厳密に言うと、2層以上のフッ素樹脂コーティングを、テフロン加工という)、

「テフロン」という名称は、

デュポン社の開発したフッ素樹脂の登録商標名称である。

 

で、問題となるのは、

このテフロンを製造する過程で使用する、

「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」という物質が、

どうも発ガン性が高いようだ、という事なのだ。

 

調べていくうちに、

「これは大変な問題だ」という事で、

正義感に火がついたロブ・ビロット弁護士は、

孤軍奮闘といったかたちで、調査、裁判の準備を進めるが、

なにせ相手は、超がつく大企業である。

 

自社の利益にとって不利になるような事柄は、

莫大な資金力と権力を駆使して、

何が何でも「潰し」にかかってくる。

 

デュポン社がロブに対して送りつけてきた、

あまりにも膨大な資料の数(部屋全体を埋め尽くしてしまうほどのダンボール箱の量)は、

まさに原告側に「裁判を諦めさせる」ための作戦とも取れよう。

 

他の弁護士も「やめておけ」と忠告するほどの、

この無謀な闘いに挑むロブに、

極限状態に追い込まれるほどの大きなストレスがかかる。

 

この映画は、近代化以降の世界で、

今日もとどまることを知らない、

経済活動による環境汚染の実態と、

その恐ろしさについて、

考える機会をもたらしてくれる作品であると同時に、

弁護士という職業のつらさ、厳しさも垣間見せてくれる一本である。

 

僕の評価としては、

100点満点で、85点。

 

その作風や演出手法に、

全くもって派手さを感じさせない、

非常に「地味な」作品だ。

 

映画を娯楽的芸術という観点から捉えると、

この作品は、その要素をかなり排除しており、

人によっては、特に最初の方などは、

かなり退屈に思えるかもしれない。

 

僕自身も、見始めてからしばらくして、

「これは・・・かなり眠くなりそうなやつか・・・?」と思ったのだが、

物語が進むにつれ、

じわじわとその内容に引き込まれ、

この人類にとって非常に由々しき「公害問題」に、

途中からは眉間にシワを寄せながら、

最後まで、集中力を途切らせる事なく見終えることができた。

 

中盤で描かれる、

デュポン社が行った「人体実験」とも言える事柄は、

身の毛がよだつ恐ろしいものであり、

同時に、それを知らずに実験台にされた従業員の事を思うと、

思わず怒りが込み上げてくる内容だ。

 

非常に暗澹とした気分になる映画であるが、

この作品で取り上げられた問題は、

僕や皆さんにとっても、

決して他人事ではない。

 

今後も、あらゆる地域において、

いつどんなことで、

僕たちが生きるために必要としている、

水や空気や、食料などが汚染されるか分からないし、

すでに汚染されたものを、

日々、身体に取り込み続けている可能性は、

もはやゼロではないだろう。

 

日本でもかつて、

水俣病」や「イタイイタイ病」、

四日市ぜんそく」などといった公害病が発生した。

 

その頃の時代に比べると、

今の企業モラルは全体的に、

かつてよりは幾分マシになっているとは思うが、

基本的には「利益を追求する組織体」として成り立っている企業が、

今後の未来において、環境を汚染するような事をもうしない、

という保証など、どこにもない。

 

デュポン社は、

2015年以降、この物質を製造プラントから放出しない事に合意したらしいが、

完全に使用を止めるのは無理だ、

と主張している。

 

というのも、

フッ素樹脂(「ポリテトラフルオロエチレン」という)を製造するには、

現時点では、

このPFOAが必要不可欠であるから、との事。

 

PFOAは製造過程においてのみ使用され、

硬化プロセス後には微量のPFOAしか残留しないらしく、

デュポン社は、適切に硬化されれば、

製造されたフライパンには、

計量不能な程度のPFOAしか残らない、

と主張している。

 

ちなみにデュポン社は、

「このPFOAに代わる、より安全な代替物を模索中」としている。

 

・・・との事であるが、

この映画を見た後に、これを読んでも、

疑り深い僕は「本当かよ?」と思ってしまう。

 

タイトルにもある通り、

この映画を見終わったあと、一瞬、

「もう、フッ素加工のフライパンを使うのをやめようかな?」

と思ったくらいだ。

 

でも多分、今後も使うだろう(あっさり)。

 

まあ、そこまで神経質になって、

ストレスを感じながら生きるのも、

なんだか、それはそれで違うような気がするし。

 

誰かの家に呼ばれて、

料理を振る舞われた際に、

チラッと台所に目をやって、

「あのフライパン・・・」と考えながら生きるのは、かなり息苦しい生き方だ(笑)。

 

ひとまず、

フッ素樹脂加工のフライパンについて特集した記事があるので、

そのあたりを詳しく知りたいと思った方は、

「フライパンのススメ」という、下のリンクの記事(↓)を参考にしてほしい。

 

基本的に、

この記事を読む限りは、

フッ素コーティングのフライパンは、

適切に使えば、特に人体に大きな影響はないようである。

 

(「フライパンのススメ」↓)

https://furaipan-osusume.com/%E8%BA%AB%E4%BD%93%E3%81%AB%E6%9C%89%E5%AE%B3%EF%BC%9F%E3%83%86%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E5%8A%A0%E5%B7%A5%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E6%80%A7/?amp=1

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。