6月29日、「リバー、流れないでよ」を鑑賞。
京都の貴船神社周辺にある老舗旅館を舞台にしたSF的コメディ、といった感じの作品である。
世間的にはあまり話題になっていないし、
レビューサイトでの投稿数もかなり少ないのだが、
見に行った人からの評価は、そのほとんどがかなり高めで、
現時点で一部の映画ファンを中心に密かに話題になっているようだ。
そんな評判が気になり、
僕もわざわざ、割引料金にならない今日という日に映画館まで足を運んで見に行ったのだが、
・・・・・うーん、これは、ちょっと僕の好みと合わなかった。
この作品の作風を一言で言うと、
「東京の新進気鋭の小劇団の舞台作品のようなノリと笑いの質感を、そのまま映画化した」といったところだろうか。
生まれも育ちも大阪である生粋の大阪人であり、
それこそダウンタウン直撃世代で、
その他にも様々な関西発の漫才やコント、
吉本新喜劇等に多いなる刺激を受け、
共に成長してきた僕には、
この東京チックなノリのコメディというか、笑いの方向性、仲間内でワチャワチャしてるかのような、あの雰囲気が若干苦手である。
余談ではあるが、こうしたテイストと似た雰囲気を持つであろう三谷幸喜作品なども、僕はかなり苦手である。
もちろん、そんな僕も
「関東系」とも言える笑い全てにアレルギー反応を起こすわけではないが、
映画を見ていて思ったのはやはり、
「あ、コレ系(先ほど言った『東京の小劇団っぽい笑い』)かあ・・・・」といった感想であり、
こういったタイプは、実際に劇場まで足を運んで生で見ると、
多分、僕もその世界に浸れて笑ってしまう事があるのだろうけど、
「映画館のスクリーン越しに見る」というフィルターを通してしまうと、
たちまち分析的かつ客観的成分が増し増しの、一歩引いた目線で鑑賞してしまうのである。
少し期待したせいもあるかもしれないが、
僕はあまり楽しめなかった。
オチもなんというか、僕の目線からは発想がチープに思えて、
こっちは見ているだけなのに、何故か自分の心にちょっとした羞恥心のようなものが芽生えてしまった次第である。
100点満点で、49点といったところか。
あと気になったのが、
舞台が貴船神社周辺という、京都を代表する一大観光地で、
物語が展開する時間帯も午後2時頃なのに、
主要人物以外の観光客の姿が全く持って見られない。
全くの観光客ゼロである。
これは変だと思った。
僕も実際、コロナ前に現地に足を運んだ事があるが、午後2時頃なんて人だらけでしたよ。
映画の設定上、その他の観光客の存在を組み込むと、それが邪魔になり、
物語がややこしい事になるとはいえ、
これはどう考えても違和感あり。
個人的には、そのあたりがこの作品一番のツッコミどころであった。
という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。