シンゴさん日記

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(重要部のネタバレはなし)「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」 ガリ勉生徒会長とレズビアンの仲良しコンビが、高校生活最後の夜にハジけようとする青春下ネタコメディ。

 

今日は、自宅で「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」を鑑賞。

 

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2019年のアメリカ映画。

 

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高校で生徒会長を務める

モリーは、真面目一徹、勉強一筋の

いわゆる「ガリ勉」タイプの女子。

 

モリーの唯一の親友と言えるエイミーは、

自身がレズビアンであることをカミングアウトしており、

同じ高校に通うライアンという、

スケボーが趣味の女子に片想いをしている。

 

ある日、モリーは学校のトイレに入った際、

クラスメイト達が自分の悪口を言っているのを聞いてしまう。

 

モリーは不快な気分になりつつも、

彼らのことを「勉強もせずに遊びに夢中の劣等生」とみなしていて、

トイレを出た後、毅然とした態度で彼らに詰め寄り、

彼らのそれぞれの進路を聞き出そうとする。

 

「どうせ大した進路ではないのだろう」と、

高を括っていたモリーであったが、

彼らの口から出てきたのは、

イェール大、スタンフォード大、グーグルなどのフレーズだった。

 

「連中は遊び呆けている」と思っていたモリーは、多大なるショックを受ける。

 

恋も遊びも脇に置いて、

勉強と生徒会の運営一筋に励んできた自分の高校生活とは一体なんだったのか?と。

 

そして、いよいよ高校生活も最後に近づいてきた頃、

モリーは、クラスメイトのニックが開催する卒業記念パーティーに、

大親友のエイミーと共に出席して、

「高校最後の日くらい、今までの自制的な日々を忘れて大いに遊ぶ」ことを決意する。

 

いざパーティーへ!と勇むモリー達であったが、

肝心のパーティーの開催場所を知らされていない。

 

果たして、モリーとエイミーは卒業パーティーに辿り着くことができるのだろうか?・・・

という、あらすじ。

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まあとにかく全編通して、この映画は

下ネタのオンパレードである。

 

なので、そういう類いのフレーズや会話を、

「内容はどうあれ、とにかく受け付けない」

という人には全くフィットしない映画であると言える。

 

僕自身はというと、けっこう楽しめたし、

アメリカに限らず、

どこの国の一般的な高校生にとっても、

性の話題なんて一番の興味の対象であると思うので、

劇中で彼らが交わしている会話の内容について

「高校生なんて大体そんな感じだろう」と、何の抵抗もなかった。

 

勉強一筋のモリーであっても、

エイミーとの会話で出てくる性的なフレーズはかなり直接的である。

 

この映画を見ただけで、

「これがアメリカの女子高生の性の実態か」と判断するのは、

あまりにも短絡的であると思うし、早計であると思うのだが、

心を許した女子同士の性的な会話というものは、

男同士のそれと同等か、

むしろ上回るくらい、ある意味「過激」でオープンだ。

 

成人に達するかどうか、

という年齢の女性同士のこうしたオープンな性的会話を、

もし日本の映像作品で収録すると、

収録されている時点で、ほぼ間違いなく「問題作」とされるだろうし、

その会話を「笑い」として提示することは、

おそらく不可能だろう。

 

しかし、アメリカの映画は(もちろん、アメリカだけではないのだろうが)、

このような女性同士の性の会話を「コメディ」にしてしまえるのである。

 

日本だと、

映像作品で「性」、特に「女性の性」を取り上げると、

そのどこかに「淫靡(いんび)」かつ「タブーに触れている」という風情が付き纏ってしまう。

 

このあたりは、

アメリカ映画の強みの一つのようにも感じるのだが、

まあ冒頭にも述べたように、

こういった話題が嫌いな人には、

この映画は何が良いのか、さっぱりわからないだろう。

 

あとは、

日本人が海外のコメディを見た際にほぼ必ずある

「その国に住んでいる人でないとわからない」部分は、この映画にも当然ある。

 

「ああ、たぶん今のシーン(セリフ)は、アメリカ人ならもっとウケてるんだろうな」

と感じる箇所はいくつもあって、

このあたりの文化や言葉の相違が生む

「笑いの伝達不全」というものは、

ある程度は仕方がない、と割り切るしかない。

 

後半のベタな、いかにも青春ものといった展開については、

個人的に特筆するようなものはないが、

まあ、この映画をキレイに締めるとなると、

こういった爽やかな選択肢しかないと思うので、

これはこれで、いいんじゃないだろうか。

 

ちなみに、これは映画の評価とは関係ない話なのだが、

モリーのクラスメイトの一人、

ジャレッドが、西川きよし師匠の息子である西川弘志氏に、異常に似ていると思った。

 

西川弘志さん↓)

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役柄も「金持ちのぼんぼん」という設定で、

西川弘志さんをそういう風に定義づける意図はないが、

何だかシンクロしているような感じで、ちょっと面白かった。

 

僕の評価は、

100点満点で、79点。

 

かのオバマ元大統領も、

「2019年に見たお気に入り映画の一つ」として、

この映画を選んでいるそうな。

 

お酒(別にお酒じゃなくてもいいけど)と

おつまみを用意しながら気軽に楽しめそうな一本として、

基本的に下ネタに抵抗のない人なら、割とおススメな作品。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。