シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

「野球部に花束を」(重要なネタバレはなし) 現役、もしくは元野球部の人間なら、ある程度は「あるある」と楽しめるかも知れないが・・・。

 

8月23日、TOHOシネマズなんばにて、

「野球部に花束を」を鑑賞。

 

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2022年公開。

製作国は日本。

 

中学まで野球をしていた黒田鉄平が、

高校に進学して髪を染め、

野球とはきっぱり縁を切る覚悟で高校デビューを果たしたものの、

上級生の勧誘に乗せられ、結局、

野球部に所属することに・・・という、あらすじ。

 

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Yahoo!映画のレビューが平均4.0点と割と良かったし、

 

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自分自身も阪神ファンで、野球好きという事もあって、

密かに期待して鑑賞に臨んだが、

残念ながら、これはハズレであった。

 

とにかく、何もかもが中途半端である。

 

ジャンル的にはコメディと言える部類に入るのだろうが、

特に大笑いしてしまう場面もなく、

かと言って、野球部を舞台にした青春モノとしても中途半端。

 

野球を題材にした作品には、

大会の参加や、部員の恋愛、部員同士の人間関係など、

ストーリーを盛り上げるための「おいしい要素」が数多く用意されているはずなのに、

今作は、それらをしっかり活かせているとは到底思えず、

最後の最後まで盛り上がりに欠ける。

 

基本的には「野球部あるある」に終始した小ネタの羅列で、

この「あるあるネタ」を、

映画の登場人物とは何の関係もない、

プロ野球選手の里崎智也氏が唐突に出てきて解説するのだが、

これが、ものによってはせいぜいクスッと笑う程度で、

ワードチョイスもイマイチなせいか、

個人的にあまり面白くない(里崎氏に罪はない)。

 

この部分については、

現役の野球部メンバーや、

元野球部の人間なら「確かにあるある」と、

僕のように野球部に所属した事がない人間よりも楽しめるのかも知れないが、

実際のところ、どうなんだろう?

 

笑いを取るネタの一つとして登場する小沢仁志の使い方も、

最初こそインパクトがあるものの、

途中からは「もういいよ」と思えてくるほど、

彼のキャラクターに「頼りすぎ」な面があり、

「頑張って笑いを取りにいこうとしてる感」が

滲み出てしまい、

見ているこちらが、少し恥ずかしくなってしまった。

 

鬼監督を務める高嶋政宏は中々の熱演で、

頑張っている方だとは思うが、

僕としては、

もっと、その狂いっぷりが振り切った

「無茶苦茶すぎて、その一挙手一投足に、

思わず笑わずにはいられない、無茶苦茶な監督」

というものを見たかった。

 

主人公の黒田が、

女子生徒に片思いしてしまうパートも、

特に面白く昇華させる事ができず、

非常に中途半端に終わる。

 

そして、これが見ていて、

すごく気になったのだが、野球部員を演じている俳優陣に、

おっさんが多すぎである(笑)。

 

実際、

おっさんのような風格を備えた高校生というのは稀にいるし、

今作では、上級生が醸し出す威圧感を演出するために、

おっさんと言える年齢域に到達している俳優を、

それなりの人数、起用したのだろうと思われるが、

数名がどう見ても「あまりにもおっさん過ぎ」て、

「この人が高校生を演じるのは、正直無理ありすぎやろ」と、

笑いにならないツッコミがこぼれてしまった。

 

盛り上がりに欠けるストーリーに加え、

いまいち見ている者のハートを掴んでくれない「野球部あるある」で、

割と序盤の方から、

「あ、これ多分アカンな」と嫌な予感がしていたが、

中盤以降も、その予感が裏切られることはなかった。

 

僕の評価は100点満点で、40点。

 

高嶋政宏の鬼監督以外に、

奇天烈で個性が強すぎるキャラが2、3人いれば、

コメディ色も強くなり、

物語を盛り上げるのに一役買う要素になり得たかもしれないが、

とにかく高嶋政宏だけが妙に浮いていて、

全体的に、どこかチグハグ感を感じさせる結果となっているように思える。

 

「個性的と言えば、小沢仁志がいるじゃないか」という意見もあるかもしれないが、

小沢仁志は、そもそもの登場人物ではなく、

「1年生には、上級生がまるで小沢仁志のように見える」ために使われている、

比喩のためのキャラなので、

僕の望むアクの強い主要キャラの一人にはなり得ない。

 

正直なところ、

映画館までわざわざ足を運んで見るほどの作品ではなかった。

残念。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。