昨日は、自宅で「Viva!公務員」を鑑賞。
2015年製作のイタリア映画。
子供の頃から「公務員になることが夢だった」男、ケッコ。
ケッコは県の狩猟管理局で15年働いていたが、
公務員削減の行政改革により、リストラの対象者となる。
リストラの担当部長は、
「今なら退職金を上乗せできる」と、
ケッコに早期退職を迫るが、
ケッコはその要求に一切応じようとしない。
何かにつけ付与される手当や、
ボーナスの高さなどを考えると、
公務員というのは、あまりにも「おいしい」身分だからである。
早期退職に頑として応じないケッコを、
何としてでも辞めさせたいリストラ担当部長は、
完全に「左遷」としか捉えられないような、
あらゆる僻地(へきち)への異動をケッコに言い渡す。
部長は、ケッコはすぐに音を上げて、
退職金の受け取りにサインするだろう、
と高を括っていたが、
予想に反して、ケッコは赴任先でそつなく仕事をこなしてしまう。
そんな「とにかく公務員を辞めようとしない男」ケッコが、
たどり着いた場所と、そこから先の人生は・・・
という、あらすじ。
公開当時、イタリアの歴代興行収入で、
トップの記録を打ち立てたという、この映画。
非常に軽快なテンポで物語が進んでいく、
社会風刺コメディである。
はっきり言って、面白かった。
欧米人ならではの、人種や宗教、国の文化を比較したネタのオンパレードで、
イタリアの行政や国民性を皮肉った自虐ネタも満載。
日本人が見ると、
ドカンドカンと大笑いするようなものではないかもしれないし、
日本人にはピンとこないネタもあるのだろうけど(実際、僕自身も全てをちゃんと理解できていないと思う)、
さまざまなネタが繰り出されつつ、
最終的に登場人物の誰もが傷つかない結末は、
お見事、という他ない。
年齢層的に比較的高めの人が見たら、
より面白いテーマであると思う。
ただ、ヨーロッパの人はどうか知らないが、
もしかしたら日本の若者などで、
普段から社会問題などにあまり関心のない人が見たら、
この映画のネタの大半は理解できないかもしれない。
僕のような笑いの素人が、
こんなことを言っていいものかどうかとは思うが、
この作品で繰り出される笑いは、
はっきり言って「センスがいい」と思う。
ちなみに、
日本で、この作品と同じような笑いの方向性(別の国の文化や、国民性をネタにするなど)の作品は、
絶対に作れないだろう(日本とイタリアの笑いのどちらが優れている、という問題ではないので誤解のないように)。
今回のレビューでは、
「笑い」というエンターテイメントの特性上、僕が印象に残ったネタの一つ一つを解説してしまうと、
この作品を未見の人に対して「ネタの新鮮さを殺す」行為になるので、
映画内のエピソードは、あえてピックアップしない事にするが、
それにしても、
この映画に限らず、優れた「お笑い」「コメディ」を見ていてつくづく思うのは、
「やはり芸人さん(コメディアン)は、本当に頭がいいな」ということ。
人を笑わせる、あるいは、人を笑わせる作品を作れる、という才能は本当に凄いと思う。
僕の評価は100点満点で、86点。
という事で、今回は短めですが、
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。