シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

【ネタバレなし】「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛を込めて〜」 かつてこれほどまでに滋賀県にクローズアップした映画はあっただろうか。

 

「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛を込めて〜」を鑑賞。


f:id:otomiyashintaro:20231124154110j:image

前作の「翔んで埼玉」は未鑑賞である。

 

良くも悪くも、馬鹿馬鹿しいコメディ映画と言えるが、このような作品は、分析的に見てはいけないというか、分析的に見ても仕方がない、といった趣きがある。

 

制作陣も「このくだらなさを楽しんで欲しい」と願っているはずなので、
肩の力を抜いて見ようとは思っていたのだが、僕の関西人(大阪人)としての血が騒いでしまい、やはり、ある種の「お笑い審査員的目線」が入った上で見てしまうのであった。


それでも、個人的には中々楽しめた。


基本的には、都道府県イジり、もしくはディスりをこまめに織り込んだ小ネタの集合体なのだが、やはりこういった「ご当地ネタ」というのは、笑いを生み出すエッセンスとして盤石の強さがある。

 

そして、そのネタに上乗せするように、
優れた俳優達の熱演と、その俳優達が普段から世間に振り撒いているイメージとのギャップ、という笑いも加えられるので、
日本の土地や文化に関する知識がある程度以上あり、日本の芸能界の変遷もつぶさに見てきた世代ならば、大いに楽しめる可能性は高いと言える。


今作は、関西が舞台とあって、大阪、和歌山、京都、奈良、滋賀が主にディスられているのだが(厳密に言うと、大阪は埼玉も含めた他の地方をディスる側。でも、あんまり言うとネタバレになるので、詳しくは語らないでおく)、
僕には上記したそれぞれの土地に、出身者、または在住者の知り合いがいて、
かつてその人たちとの雑談で、色々なご当地ネタや、ご当地あるあるを聞いたことがあるので、「あ、これがあの人の言ってたヤツか(笑)」などという再確認もあって、その点も楽しめた。


まさか、この映画を見て、「自分の土地をバカにされた」と本気で怒る人はいないと信じたいが、こと滋賀県に対するイジり具合は、ところどころで、なかなかのものだな、と感じるものがある(笑)。


僕の隣に座っていたご夫婦が、この映画をかなり楽しんでいた様子で、滋賀県ネタのところについては特にウケていたのだが、
もしかしたら、滋賀県に在住であったり、あるいは何かしら滋賀にゆかりのある方たちなのかもしれないと思った(知らんけど)。


僕の愛する大阪も、これでもかというくらいのステレオタイプというか、誇張したテンプレ表現で描かれていて、もうある意味、ほぼバカにされているレベルなのだが(笑)、
「そう、それな」と、ところどころ自虐的な笑いのツボが刺激される、イイ感じの描き方だったと思う。

 

ただ、関東圏のネタに関しては、
僕はほぼ全くと言っていいくらい疎いので(熊谷の夏が異常に暑い、とかは流石に分かるが)、浦和と大宮の関係性などについてはピンと来ず、
他にも、ところどころ関東ネタになると、「へえ、そうなんや」と、
笑いまでは届かない「豆知識いただきました」程度の認識に留まったので、
そこは残念であった(まあ、これについては作品に対しての残念というより、「うーん、生まれも育ちも大阪なんで、そこんとこよく分かんない。ごめん」という感じ)。


なので、今までどこに住んでいたか?という鑑賞者のバックグラウンド的なものも、
今作の評価を左右する大きな指標になり得るかもしれないと思った次第。


100点満点で、72点。