シンゴさん日記

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

「ALIVEHOON アライブフーン」 小難しいストーリー展開は、一切なし。ただただドリフトの映像を楽しむための映画。

 

今回の記事はネタバレを含んでいます。

作品未見の方はご注意下さい。

 

6月13日、なんばパークスシネマにて

「ALIVEHOON アライブフーン」を鑑賞。

 

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2022年の日本映画。

 

レーシングゲームで日本一に輝いた青年が、

実車を使ったレースのチームにスカウトされ、

そっちでも優勝する物語である(いきなりネタバレ)。

 

とにかく、クルマ好き(カーレース好き)にはたまらない一本であると思う。

 

撮影にはCGを使用しておらず、

本物のクルマが、ドリフト走行を駆使して繰り広げる白熱のレースシーンは、

「素晴らしい」の一言。

 

ただ、これは別に悪口のつもりではないが、

極端に言うと「そこだけに特化した」映画である、とも言える。

 

とにかく、ストーリーはシンプル。

 

「途中に重要な伏線があるかもしれないから、

しっかりと見ておこう」と、

身構えて見る必要は一切なし。

 

「あれ?この人物は、どういう経緯でこんなことになった?」という風に、

途中で話の流れを見失ったりして

つまづくことなど、ほぼないであろう。

 

しつこいようだが、

もう一度説明すると、

 

「人付き合いは苦手だがレーシングゲームの腕前はピカイチの青年が、

実車を使ったレースに出たら優勝してしまいました」

というお話。

 

もちろん、その過程において、人間的なドラマはある。

 

そしてこれが、ベタ。

 

「超」がつくほど、ベタ。

 

これは、僕がどんな映画やドラマを見ても、

絶対にこれだけは言わないでおこう、

書かないでおこう、と思っていた事だが、

この映画が終盤に差し掛かるころ、

思わず、以下のような呟きが心の中に生じてしまった。

 

「このストーリーなら、俺でも書けそう」

 

もちろん、僕自身に脚本を書ける才能があるとは露にも思っていないが、

今回の、あまりにもベタすぎるストーリーに対しては、

さすがに、こんな思いが湧き出てしまったわけである。

 

この僕の心の呟きを見て、

「あー、コイツ、ついに言っちゃった。

物語なんて書けもしないのに、口先でこんな事言うヤツが、一番タチが悪いんだよね」

と思った貴方。

 

ぜひ、貴方にはこの映画を見てほしい。

 

見れば、以下のように思う確率は高いと思うのだ。

 

「あれ・・・?

この話・・・・、俺にも書けそう?」と。

 

とにかく、主人公の紘一(野村周平)の

対戦相手として登場する「ドリフト界の貴公子」こと、

柴崎快の、性格の悪さっぷりからの、

その後の善人キャラへの変貌ぶりが、

「昭和のドラマかな?」

というレベルのベタっぷりで、

これには思わず笑いそうになった。

 

物語の初めの方で、

陣内孝則の「ゲーム野郎が、ドリフトなんてできるわけねえだろ!!なめんなよ!!」

という激怒からの、

紘一の実車での鮮やかな運転を見てからの、

手のひらクルックルぶりも、

分かり易すぎて、逆にちょっと面白い(笑)。

 

まあ、上記のような書き方をすると、

ディスっているように思えるかもしれないが、

別にそんなつもりはなく(いや、ディスってるだろ)、

ただただ、

ストーリーの展開、セリフ回し、演出において、

「今どき珍しいくらい、ベタな話やなあ」と思っただけの話である。

 

見方を変えると、この映画の場合、

ストーリーがシンプルな分、クルマの映像に集中できると言えるかもしれない。

 

僕は、この「ドリフト界隈」のことには詳しくないので、

ドリフトフェスティバル(通称ドリフェス)に登場する、

本職のレーサーの方々のお顔や、お名前は存じないが、

ドリフトマニアの方たちからすると、

「お!斎藤、出てるし!川畑も出てるし!」

という「ファンならではの楽しみ方」もできて、

そういった視点からも、見ていてきっと楽しいんだろうな、と思う。

 

ちなみに、そんな僕でも、

さすがに「ドリフトキング」こと、

土屋圭市さんの存在は知っている(この映画の監修を務めた他、映画内で、審査員、解説者としても出演)。

 

久しぶりに、そのお顔を拝見したが、

ビートたけしに似てるなあ」と何度も思った(これは映画の評価云々とは関係ない、どうでもいい呟きです)。

 

この映画の僕の評価は、

100点満点で、70点。

 

クルマの走行シーンだけをピックアップするなら、90点。

2台のクルマが、衝突ギリギリの至近距離で、

地面を滑っていく様は、もはや「芸術」と表現していいレベル。

個人的には、山道を使って練習するシーンにシビれた。

本当に、一歩間違えれば、死亡は免れられないレベルの大事故に繋がる、

危険と隣り合わせの撮影だと思う。

まさに「神技」と言える運転を見させていただいた。

 

ストーリーに関しては、ツッコむようなおかしなところはないが、

前述したように「ベタすぎて」特に心動かされるものがなかったので50点、

という感じで、

その平均で「70点」とさせていただいた。

 

ということで、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。