約1万8000円もする有線イヤホンを買ってしまった。
ワイヤレスイヤホンでは4万円近くするAirPods Proを所有しているが、有線イヤホンでは自分史上最高額である。
「Kinera」という中国オーディオメーカーのサブブランド「Celest」が発売している「PhoenixCall」というイヤホン。
DD(ダイナミックドライバ)1基、
BA(バランスドアーマチュア)2基、
FPD(フラットパネルドライバ)2基という、3ドライバ構成の珍しい内部機構を持ったイヤホンとのこと。
いつものように、FiioのBTR7に4.4mmバランス接続して使用。
感想を簡潔に述べたい。
とにかく音が「濃い」。
すごく濃い「特濃イヤホン」である。
低域と高域を際立たせた、いわゆる「ドンシャリ」と云われる傾向のイヤホンなのだが、このイヤホンは、そのドンシャリを突き詰めたかのような一品に思える。
楽曲によっては、ミッチミチに詰まった音の固まりが、一丸となって鼓膜に叩きつけられるような感覚(主にメタルやEDM)。
これは好きな人にはたまらない音かもしれないが、この出音の密度の高さに「しばらく聴いていると疲れる」という人もいるだろうから、ちょっと賛否両論別れる商品かもしれない。
「ラーメンが好き。焼肉も好き。スイーツも好き。そうだ、一回の食事でこれらを同時に食べよう。そして、野菜とか要らない」みたいなサウンド(何だそれ)。
購入してから、毎日30分から1時間くらい、12日間ほど色んな楽曲を聴いているが、ある曲は聴いていて非常に楽しい反面、ある曲になると、イヤホンの持つパワーが逆に作用して、不自然な音に聴こえるような印象を抱いてしまう、
諸刃の剣感が強いイヤホンだと思う(特に、元々こもり気味の音質でレコーディングされた音源にめっぽう弱い。低域が強調されすぎて、余計にこもって聴こえる)。
ちなみに装着感は最高。
10点満点で、ほぼ10点と言っていいくらい、少なくとも僕の耳の形にはジャストフィット。
見た目も含めて、かなり個性派のイヤホンであるし、お値段も中々のものなので、万人にオススメはできないが、当の僕はこれを購入したことを全然後悔していない。
人に例えると、「たまに張り切りすぎて、スベってるボケをかますけど、一緒にいるととにかく楽しいヤツ」みたいな感じのイヤホンなので(笑)、コイツと縁は切りたくない。
僕にとっては色々な意味で面白い一本である。