シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

「からかい上手の高木さん」(ネタバレなし) 素直に素晴らしい作品だと思う。だけど・・・

 

6月15日、TOHOシネマズなんばにて、

からかい上手の高木さん」を鑑賞。

 

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2022年の日本のアニメ映画。

 

男子中学生「西方(にしかた)」と、

女子中学生「高木さん」の、

2人の微妙な関係を描いた青春物語である。

 

原作とテレビシリーズは、僕は未見。

 

今回は、

本作がどのような作品なのか、

という前情報を、ほぼ全く入れていない状態で見た。

 

結論から言うと、

「自分に子供がいるなら、できれば小学生のうちに、このような作品を見せたい」

と思った、素晴らしい作品であると思う。

 

しかし同時に、上映中、

しきりに「どこが面白いん?これ」とも思っていた。

 

この感想に対して、

「一体、何を言ってるんだ?コイツは」

と読者の方は思われたかもしれないが、

今回は、

「決して相容れない領域に足を踏み込んでしまった」パターンである。

 

頭では「良い作品だな」と思いつつ、

心の中では、全然面白くない。

 

「全然、面白くないなあ」と思いつつ、

自分の感情をいったん切り離して、フラットな視点で見ることを意識すると、

「誰も傷つけない、良い作品である」ことは間違いない。

 

本作鑑賞後、

「どれだけ、俺の心は手垢にまみれているのだろう?」

と、Yahoo!映画での高評価と絶賛の数の多さを眺めながら、

自分の感性が、世間一般の大多数の方々の感性と、

いかに乖離しているのか、

という事実に、あらためて愕然とした。

 

実のところ、僕には全くわからないのだ。

 

「恋愛」というものが。

 

もちろん、人を本当に好きになったことはある。

女性と付き合ったことも、もちろんある。

 

しかし僕は、

この45年の人生において、

「本当に好きな人」と、男女のお付き合いをした事がないのである。

 

僕が今までお付き合いした女性、

男女の関係になった女性はみんな、

「性格的に良い子だし、話をしても楽しいが、別にこちらとしては、強烈な恋愛感情は持っていない」人ばかりだ。

 

もちろん、付き合っていくうちに、

ある程度好きになるのだが、

それも「恋焦がれている」感じではなくて、

「一定期間付き合ったことで、愛着が湧いた」という感情である。

 

こんな僕だから、

この作品で描かれているような

恋愛に、全く共感できないのである。

 

とにかく、

「まあ・・・良い話やなあ・・・。

けど・・・さっきから全然面白くないんよなあ。

こんな恋愛、現実にはないんだよなあ

(僕が経験してないだけなのだが)」

と思いながら、

ぼんやりとスクリーンを見て過ごしていた。

 

最後のシーンも、

本当に、

皮肉でも嫌味でも何でもなく、

素直に「良かったね」と思えた。

 

矛盾しているかもしれないが、

本当に最後は「良かったやん」と思った。

 

しかし座席を立つ時には、

「いやあ、けど俺には全く響かんかった」である。

 

なんというタチの悪さ(笑)。

 

この映画に対する、

僕の評価は100点満点で・・・・

と、いつものように行きたいところだが、

今回は採点を控える。

 

本作は、

僕のような人間が評価してはいけない作品だと思った。

 

「好きな者同士が付き合う」のを

「恋愛」と定義するならば、

僕は恋愛をしたことがないので、

そんな人間が、この映画に評点をつけてはいけないような気がしたわけである。

 

なので、今回は採点を避けることにした。

 

もしも僕が魚介類を食べられない人間だとしたら(実際は食べれます)、

寿司屋に入って「あそこの寿司は不味い」というのは、

見当違いだと思うのだ。

 

「いや、そもそもお前、魚を食べられへんのに、寿司をどうこう言うって、おかしいやろ?」

という話である(このたとえ、変?)。

 

自分も中学か高校の頃に、

本作で描かれているような「甘酸っぱい体験」をしていたなら、

この作品に対して、全く違った受け止め方をしたかもしれない。

 

まあけど、

「本当に好きな人と一緒になる」

イコール「死ぬまで幸せ」とは限らんけどね。

 

ということで、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。