シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(ネタバレなし)「JUNK HEAD」 これをほぼ一人で作り上げた?ウソだろ?・・・けどホントなんだよね・・・いやはや言葉が出ない。

 

昨日は、自宅で「JUNK HEAD」を鑑賞。

 

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映画館で公開していた時から気にはなっていたのだが、

色々とあってタイミングが見つけられず、結局、劇場で見れずじまいになった本作。

 

今回、Amazonプライムビデオで配信が始まったのを知って、さっそく見てみた。

 

この映画は、ストップモーションで撮影されている。

 

ストップモーションとは、

ある一定数の静止画を連続して見せていくことによって、

撮影された対象物を

あたかも動いているかのように見せる手法であるが(カメラを駆使したパラパラ漫画みたいなもの)、

 

その撮影方法の特殊性により、

作品の時間が長くなるほど、制作に費やされる時間も膨大になっていく。

 

この作品の制作期間は7年ということで、

それだけでも作業の大変さが窺えるのだが、

そのこと以上に驚愕の事実が、この作品には存在する。

 

それは、この作品が「ほぼ一人の人間の手によって作られた」ということだ。

 

実際に最後まで見て、

エンドロールが流れ始めるとわかるのだが、

声の担当、監督、脚本、撮影など、

ありとあらゆる担当に「堀貴秀」という名前が、

とめどなく連続して流れるのである。

 

このエンドロールの特異さ加減は、

「いや、どんだけ一人で頑張ってるんだよ!」といった驚嘆の念が入り混じった敬意と共に、

ある種の笑いさえ誘う。

 

ところどころに手伝ったスタッフ数名の名前が、ちょこちょこっと入るものの、

基本的に「堀貴秀」の独壇場。

 

こんなの初めて見た(笑)。

 

とにかく、本編始まってすぐの地下都市の映像で、僕は思わず鳥肌が立つような感覚を覚えた。

 

「このクオリティから始まる1時間40分を、一人で・・・?ウソだろ・・・?」

 

しかも堀監督、この映画を撮影するためのノウハウは、全て独学で習得していったというのだ。

 

もう、これは・・・変態である(褒めています)。

 

映画の印象を短い文章でまとめると、

「キモくて、グロくて、けどちょっと可愛らしさもあって、笑いもあるディストピアもの」

という感じで、

人を選ぶ内容ではあるが、

僕としては、その独特の世界観と、キャラクターの動きに終始唸りっぱなし。

 

とにかくテンポも良く、結末までの1時間40分はあっという間に過ぎていった。

 

最後は正直、

「え?ここでもう終わり?」といった感じで、

物足りなさを感じたのだが、

後で監督のインタビュー記事を読んでみると、

「この作品は、元々3部作として構想されている」との事なので、

ひとまず、あそこで終わったのは納得。

 

でも、残りの2作が完成するのは、いつの日になるのだろうか?(笑)

 

さすがに次回作からは、何もかも一人でやるとは思えないので、

出来るだけ早く続編を見たいものである。

 

僕の評価は、100点満点で、92点。

 

この点数には、

「監督がほぼ一人で作り上げた」という執念に対する賞賛と感嘆、感動がかなり加味されている。

 

もし、この作品が一定数以上のスタッフを擁した「チーム」で作られたものなら、

もう少し点数は低めになっているかもしれない。

 

それでも、85点くらいは軽く超えるが。

 

何かをストップモーションで撮影した経験などない僕ではあるが、

それがどれだけ気の遠くなるような作業か、

もう想像でわかるし、

この撮影を一人で最後までやり遂げた事実については、

もう、これは文句なしの100点満点。

 

人間って、本当にその気になったら成し遂げられるんだな、という事も監督から学べました。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。