シンゴさん日記

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーン・シティ」 ゲーム発売から約26年。何で今さら、初期バイオハザードが映画化なんだろう?

 

今回の記事はネタバレを含みます。

作品未見の方はご注意下さい。

 

6月28日、自宅で「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーン・シティ」を鑑賞。

 

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2021年アメリカ公開。

日本公開は2022年。

製作国は、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス。

 

言わずと知れた、ゲーム史に残る名作中の名作

バイオハザード」シリーズを基にした作品。

 

今作は、

初代作「バイオハザード」と、

その続編「バイオハザード2」の内容を組み合わせたかのような内容になっているのだが、

これがすこぶる評判が悪い。

 

ゲームの中で極めて印象的な場面を実写化し、

本来は独立しているシチュエーションをくっつけて、

人気登場人物たちを一本の映画の中に勢揃いさせて・・・という手法を取っているのだが、

バイオハザードシリーズに思い入れの強いファンの一部から、

「登場人物のキャラ変えすぎ。要素詰め込みすぎ。シナリオ改変しすぎ」という事で、

かなりの怒りを買っているようだ。

 

ちなみに「バイオハザード」と「バイオハザード2」は、

僕は1996年の発売当初にプレイした。

 

このゲームは、

僕が高校を卒業した後くらいに発売されたと記憶しているが、

当時、まあそれはそれはハマったものである。

 

「こんなに怖くて、かつ面白いゲームは今までにない!」と、

感動しながらプレイしていた思い出がある。

 

その後、

超人気シリーズとなって全世界のゲームファンを虜にした「バイオハザード」だが、

僕がこの後、

しっかりと腰を据えてプレイした作品は、

バイオハザード4」くらいで、

このシリーズの一連の作品群そのものについては、

そんなにどハマりしたわけではない。

 

僕は基本的に、

一度クリアしたゲームはそれっきりで、

クリア後のやり込みはあまりしないタイプなので、

初代「バイオハザード」も、

バイオハザード2」も確かに面白かったが、後になって「愛情」を抱くほどの感情は湧いておらず、

この映画を見るに際しても、

どちらかと言えば、中立的な目線で見ることができたと思うのだ。

 

要するに、

「ゲームの内容を、割と改変しているような内容であっても、『映画として』面白けりゃいいよ」

という態度で、今作と向き合った。

 

 

というわけで、結論から言おう。

 

 

ひとまず一本の映画として、あんまり面白くない(笑)。

 

いや、面白くないというか、なんだか内容が薄いし、適当(特に最後の方)。

 

途中までは、まあ割と見れる。

 

かつてゲームをプレイした影響もあってか、

「あの場面を、実写ではどういう風に描いているのか」が気になるので、

そのせいで最後まで見ることができたのかもしれない。

 

しかし、最後の方になると、本作が

「極めて凡庸で、説明不足な作品である」ということが分かる。

 

無理してでも褒めれば、

「中程度のクオリティのホラー映画として、及第点はクリアしている」と言えるが、

悪く言えば、とにかく「心を動かす要素が何もない」のである。

 

バイオハザード」というゲームをプレイしたことがなければ、

「ホラー映画」というジャンルも見たことがない、

という人(例えば今の小学生とか)に、

今作品を見せれば、

「めっちゃ怖いし、面白い」という感想を抱かせることができるかもしれないが、

この手の映画を数多く見てきた僕である。

 

ゲームと違って、実写ならではのグロさを備えたシーンもあるが、

あの程度じゃ何も思わない。

 

そして、問題のストーリーについては、

例えば、

登場人物の一人であるウェスカーという男が、

途中から、何故か仲間を裏切るような行動に出るのだが、

本作を見ている限りでは、

そのはっきりとした動機と根拠が、いまいち見えてこない。 

 

「いや、そこはもうちょい、色々説明してくれよ」という感じだ。

 

ウェスカーは、

無茶な行動を起こした事で、

最終的に仲間の一人であるジルに、

銃で撃たれることになるのだが、

この時のウェスカーに対するジルの態度が、

とにかく意味がわからない。

 

「え?あなた、ウェスカーを撃ちましたよね?

なのに、ウェスカーに『死なないで。一緒に行くわよ』的な感じで接するって、どういう事?」と、

見ていて混乱すること必至だ。

 

この場面は、

「ジルは、本心ではウェスカーを撃ちたくなかったが、状況が状況だけに、やむなく撃たざるを得なかった」

と解釈できるのだが、

それならそれで、

ジルはウェスカーに対して、一言、謝罪くらいしろよ。

 

このウェスカー絡みのクライマックスシーンは、

はっきり言って、「は?」だらけである。

 

僕も、もうゲームをプレイし終えてから26年も経っているので、

ゲームのシナリオは事細かに覚えておらず、

ウェスカーがどういう人物なのかも、ほとんど覚えていない。

 

ゲームをよく知っているファンなら、

なぜ、ウェスカーがそのような行動に出たのかを説明できるかもしれないが(いや、おそらくゲームをよく知る人ほど「アレはない」と思ってそう)、

とりあえず僕には、ウェスカーの心理の移り変わりが、今ひとつ理解できなかった。

 

どうもこのあたりは、

続編で詳しく説明するような雰囲気である。

 

エンドロールで続編を匂わせるシーンがあったので、

「そうか。続編でじっくり説明するつもりなのか」

と僕は悟ったのだが、

はっきり言って、この映画の続編など、

現時点で全く見たいと思わない(笑)。

 

あと、細かい部分のツッコミ要素としては、

物語の終盤で、ウェスカーに父と母を殺される娘の心理が、かなりおかしい。

 

自分の両親が目の前で殺されるという、

壮絶な現場を目撃したのに、

その少女は、

列車に乗って主役の警官たち(クリスとクレア、ジル、そしてレオン)と一緒に街から脱出するシーンで、

クリスとクレアの会話に一瞬、微笑んでいるのである。

 

今さっき、両親がすごい死に方をしたのに、

どんたけ図太い神経なんだ?(笑)

 

最後のラスボスを倒す時の呆気なさ及び、

あまりの都合の良さにも「なんじゃそれ?」という感じだし、

ところどころCGも安っぽい。

 

とにかく、レオンが酷いと思った。

 

この映画における、

レオンという人間の薄っぺらさ加減たるや、

目に余るものがあった。

 

天然というか、超のつく鈍感というか、

見ていて「何やねんコイツ・・・」と思わせる、なかなかの適当キャラ。

 

この映画の何が一番ムカつくかというと、

(結局、ムカついてるんかい笑)

レオンが最後までちゃっかり生き残って、

一番おいしいところを持っていく事なのかもしれない(笑)。

 

僕の評価は100点満点で、39点。

 

結果的には、

「ゴチャゴチャと余計な事をせずに、

ゲームのシナリオに忠実にやっときゃいいのに・・・」と、

色々と残念に思う部分が多かった一本である(ゲームのストーリーそのままにしたら面白い映画になる、という保証はどこにもないが)。

 

にしても、何で今さらバイオハザードの初期作を実写映画化したのだろう?

それが個人的に一番の謎だ。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。