シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

「ビリーバーズ」(核心部の詳細すぎるネタバレはなし) 信仰心VS性欲の時間無制限1本勝負の行方は?

 

今回の記事は、作品の内容に則って、

性的な記述が多くなっております。

そのような表現が苦手な方は、

今記事を読む事をおすすめしませんので、

前もってお知らせしておきます。

 

7月18日、なんばパークスシネマにて、

「ビリーバーズ」を鑑賞。

 

f:id:otomiyashintaro:20220719212505j:image

 

2022年公開。

製作国は日本。

 

-------ーー

 

「ニコニコ人生センター」というカルト宗教にハマった、

男2人、女1人からなる3人組。

 

彼らは「汚れた世俗から離れた」無人島で生活し、

それぞれを「議長」「副議長」「オペレーター」という肩書きで呼び合う。

 

「みんなのために頑張りましょう」という、

教団のスローガンを、事あるごとに口にし、

その教えに従って、

3人は禁欲的な生活を送っていたのだが・・・

という、あらすじ。

 

-------ーー

 

まず一言。

 

エロい。

 

この作品はR15指定だが、

とにかくセックス描写が、

下手なアダルト動画よりエロく感じる部分がある。

 

そこまで時間を割いて描かなくてもいいんじゃないか?

と思うくらいだ。

 

男2人と、女1人の無人島生活である。

 

お互いが好みに思う見た目のタイプや、

性格面でのよっぽどの不一致がない限り、

無人島という閉鎖空間において、

男と女が「性的な関わりを持たずに、ただ日々の生活を送る」ことなど、

「ほぼ不可能である」ことを確認させてくれる作品である。

 

作品内で「副議長」と呼ばれる女性を、

北村優衣という女優さんが演じているのだが、

f:id:otomiyashintaro:20220719221949j:image

(北村優衣↓)

f:id:otomiyashintaro:20220719220414j:image

 

この人と無人島で生活して、

「その気」を起こさず、

「日々、精進」することだけを考えて生きる・・・・・・うーん、少なくとも僕には無理だろう(笑)。

 

磯村勇斗演じる「オペレーター」が、

Tシャツを着たまま海に入った副議長の

透け乳を見て、

ムラッときてしまっているのだが、

やはり、このあたりは、

「そりゃ、そんなもん見たらな・・・」と、

男として共感を覚えざるを得ない。

 

やれ信仰だ、禁欲だ、清らかに生きよう、

と言ったところで、

男なら、目の前で露わになった女体に興奮を抑える事などできないし、

めちゃくちゃ腹が減っているが、

食べ物を買う金がない人間は、

どこの誰かも知らない人間の食べ残しであっても、

その場で誰も自分のことを見ていないとわかったら、

手をつけてしまうのである。

 

そもそも、彼らの着ている教団のTシャツも、

ズボンや靴も、

彼らの居住するプレハブハウスや、

移動に使うトラックも、

生活に使うありとあらゆるものは、

基本的には、

彼らが言うところの「不浄な世界」の会社が製造、生産したものであり、

どこまでいっても、

このような「カルトの教義」には、

行き詰まりと矛盾が生じるのだ。

 

そういった「人の性(さが)」や、

誰もが抱える「人間のおかしさ、悲しさ」を、

カルト教団の教えを愚直に守ろうとする人たちの姿を通して、

浮き彫りにしていく作品である。

 

このような映画は、

大体、結末が予想できるものであり、

今回も「まあ、こういう話は最終的には、

そんな感じになるわな」と、

僕が思った通りの結末だった。

 

ただ、このクライマックスが、

僕には「え?どういうこと?」という感じで、

映画館を出てからも「???」であった。

 

ネタバレになるので、

見た人にしか伝わらないような書き方になってしまって申し訳ないが、

「オペレーター、ついさっきまで教団側に洗脳されている感じだったよな?

なのに、何でお前が土壇場で、それを叫ぶんだよ?」と、

ちょっとあまりの急展開に、僕の思考がついていかなかった。

 

あれは謎だし、

裏切り者とされた教団の「第三本部長」も、

普通に考えたら生きているわけがない。

あの状況下では、絶対と言っていいくらい、

死んでいるはず。

 

なのに、最後になって元気に登場しているのだ。

 

映画未見の人には、何のことやらで申し訳ないが、

何はともあれ、クライマックスにおける、

あの一連のシーンの描き方は、

極めて「雑」であったと思う。

 

今作に対する僕の評価は、

100点満点で、55点。

 

あの最後の「雑さ加減」のせいで、

大幅に減点させてもらった。

 

途中まで割と楽しめて見れただけに(エロ描写が、という事ではなく、物語としてそれなりに面白かっただけに)、

非常に残念である。

 

それにしても、この映画を見ていて、

役者という職業は、

あらためて色んな意味で「すごいなあ」と思った。

 

カメラや、多くの人間に囲まれている中で、

「セックスを演じる」って、どんな感覚なんだろうか?

 

まあ「仕事」なので、

俳優たちは「監督の指示どおりこなす事に集中するのみ」なのだろうが、

男性の立場から言えば、

陰部を隠す、いわゆる「前貼り」をしていても、

当然、「反応」は抑えられないと思うし、

女優さんの方も、どんな感覚、意識でいるんだろう?

 

特にこの作品では、

「あらまあ、そんなコトまで」というレベルの

性的描写があるので、

これを演じた北村優衣という女優さんには、

「いやあ、やるねえ」と、

ただただ感心した次第である。

 

僕には「人前でセックスを演じる」ことなど無理だ。

 

羞恥心に耐えられそうにない。

 

人前で演じるくらいなら、

ガチでヤッているところを撮影されている方がまだいい(って、何の話だ?)。

 

と、最後はどうでもいい事を書いてしまったが、

今作は、性描写が相当にダイレクトなので、

DVDや配信で見る時に、

家族同居の方は、まわりの環境に気をつけてください。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。