シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」 何故にビッグフット?殿堂入りレベルのクソ映画ぶりに逆に心が震えた。

 

今日は自宅で「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」を鑑賞。

 

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このタイトルを見て、僕のブログを読んでくださっているほぼ全ての読者の方が、

「・・・何だそれ?」と思った事だろう。

 

この映画は去年、僕が大阪の天王寺にあるアポロシネマという映画館に「ザ・スイッチ」というホラー映画を見に行く途中の道で、

「新世界国際劇場」という名の、

ある時点で時間が止まったかのような、

かなり古めかしい、昭和の香り炸裂の映画館の前を通りかかった時に見かけた看板がきっかけで知った。

 

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「何やねん・・・このタイトル・・・・・、

ちょっと興味湧くやん・・・・。」と、

気になったものの、これから「ザ・スイッチ」を見に行くので予定変更はできない。

 

仮に衝動的にこの映画を見たくなったとしても、もしかしたら、この映画館はいわゆる「ハッテン場」かもしれず(いや実際知りませんよ)、

下半身を掘られるかもしれないので(考えすぎ)、この映画館に入る気は起きなかった。

 

気にしつつも、ひとまずその日はやり過ごすことにした次第である。

 

しかし、その後もずっと僕の頭に残っていた「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」。

 

いつか見ようと思っていたが、

今日、遂にAmazonプライムで見ることを決意。

 

見る前からすでに「絶対に面白くない」とわかっていながら(笑)、鑑賞に踏み切った。

 

見た感想は、ただ一言。

「面白くない」である(笑)。

 

100点満点で、15点くらい(笑)。

もう映画のタイトルがすでにネタバレ状態だし・・・。

 

しかし、クソ映画度数としては、

100点満点で95点はつけたい。

 

ある意味、感動した。

この映画はなんだか憎めない。

 

僕はこの映画を見る前、これは「シャークネード」シリーズに代表されるような、

低予算B級、C級サメ映画などに多用される「ショボいCG」のシーンがてんこ盛りなのかなあ、と高を括っていたのだが、

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意外にも「しっかりした映像」と「しっかりした雰囲気」で物語は進んでいくのである。

 

かつて、スパイとしてヒトラーを射殺した男が老人になり、一匹の犬と共に生活している様子の折々に、若かりし頃の回想シーンが展開されていく。

 

マイナー映画ならではの若干の安っぽさを隠しきれないながらも、割と真面目に作っているという印象。

 

「あれ?これ、思ってた以上にまともな映画かも・・・」と、

僕は少し肩透かしを食らった感触だったのだが、

この爺さんの家にFBIの捜査官が訪ねてきたところから、この映画の本領が発揮される。

 

なんでもFBI捜査官の話では、

アメリカの国境に近いカナダの山で大量の動物が死んでいる。

原因は感染症で、そのウイルスをばら撒いているのがビッグフットである」との事・・・。

 

 

・・・え?・・・ヒトラーの話から急に何?

 

 

そしてFBI捜査官は続けて、

「政府があなたの血液を調べたところ、

このウイルスに対する免疫を持っている数少ない一人である事がわかった。

ビッグフットを殺せるのはあなたしかいない。

もし、できないというのなら、問題の地域に核爆弾を投下して感染拡大を食い止める」

と爺さんに迫る。

 

・・・何、その雑で、強引かつ謎すぎる展開・・・。

 

その直前まで、「ヒトラー暗殺」という大任務までの過程を描いた、戦争映画チックな装いから、打って変わって「ビッグフット退治」への急転直下。

 

ちょっと思考がついていかない。

 

ここで、もしかすると「ビッグフット」が何の事かわからない読者の方がいらっしゃるかもしれないので、

ビッグフットについて、少し解説させていただこう。

 

ウィキペディアからの引用となるが、

ビッグフット(英:Bigfoot)は、アメリカ合衆国で目撃されるUMA(未確認動物)、または同種のUMAの総称である。

 

この有名な画像(↓)をテレビなどで見たことがあるという人は、そこそこ多いのではないだろうか。

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(↑)これがビッグフットである(らしい)。

どう見ても着ぐるみを着た人のような雰囲気なのだが・・・。

 

映画の話に戻そう。

 

爺さんは「もう何も殺したくないんだ・・・。人も動物も・・・」と、いったんはFBIからの依頼を断ったものの、結局受託。

 

たった一人でビッグフットの住む山奥に入り込む。

 

そして、この山奥での、爺さんVSビッグフットの衝撃的な一騎打ちこそ、この映画のハイライトであり、この映画がいかにダメか(けど笑える)を端的に示す、最もわかりやすい部分である。

 

その対決の様子は、

アーノルド・シュワルツェネッガー主演のかつての名作「プレデター」の如く、

森の奥深くに潜む未確認生物を、要所要所に罠を仕掛けてジリジリと追い詰めていくような、極限の緊張感が支配する一騎打ちをじっくり見せてくれるのかと思いきや、

クソ映画というものは、そんなに僕らに甘くはない。

 

爺さんが「いざ!ビッグフット退治へ」という感じで、勇ましく大地に立つシルエットの画面から、

山の中のシーンに切り替わった瞬間、

 

お目当てのビッグフットが即登場して、しかも爺さんの放った銃弾も即当たってしまうのである。

 

この間、約2秒くらい(笑)。

 

ラスボス登場まで、「焦らす」とか「もったいぶる」、「期待感を煽る」などという演出は、一切なし。

 

僕は思わず、

「えええ!?もう仕留めたん!?」と、

あまりの呆気なさに、画面の前で声を発してしまった。

 

ここから最終的にビッグフットにとどめを刺すまでの一連の流れは、

もうとにかくツッコミどころの宝庫なのだが、

僕の稚拙な筆致では、その面白みを十分に伝える自信がないので、興味を覚えた方は是非ともこの映画を見てほしい(多分、誰も見ないだろうけど)。

 

この映画の魅力(?)の全てが、この一連のシーンに詰まっている。

 

そして、ビッグフットを倒した後の展開もツッコミは収まらず、

最後の爺さんの若い時の回想シーンも、単に蛇足なだけで、ストーリーの流れに対して全くもって必要とは感じない。

 

そもそも、若い時にヒトラーを暗殺したというくだり全部が、終わって振り返ってみれば、ビッグフットと全く関係がないのである。

 

素人の僕が言うのもなんだが、

「なんてヘタクソな脚本なんだろう」と思った。

 

そのくせ最後のシーンだけは、一流のメジャーどころの映画っぽい雰囲気を醸し出して終わるのだからタチが悪い(笑)。

 

憎たらしいことに、エンドロールに流れる時の音楽も、けっこうまとも(ちょっと良い曲と感じるくらい)だったりするのである。

 

本当に困った映画だ。

 

あと、細かいところを言うと、

爺さんが歩いている時、何かと右足を気にして立ち止まり、履いている革靴を脱いで靴の中を覗く、というシーンが途中に何回かあって、

僕は「これは何かの伏線なのか?」と思ったのだが、結局何もなし。

 

監督は何のために、あの仕草を演技として指示したのかという意図がわからないし、

他にもそんな伏線を匂わせるカットがチラホラとあるのだが、

最終的にその思わせぶりなカットのどれもが、特に重要な意味は持っていない。

 

本当に「いったい、何を伝えたかったのか?」が全くもって見えてこない映画である。

 

ある意味、すごいと思う。

こういうものは凡人の感性ではとても作れないと思った。

 

全く面白くないけど、強烈に記憶に残る一本である。

 

現時点において、僕が人生で見たクソ映画ランキングで、堂々の1位獲得(笑)。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。