さっき、録画しておいた関西ローカルの「よ〜いドン!」という番組を見ていて思ったこと。
文豪・司馬遼太郎氏がかつて住んでいたことでも有名なこの町で、
元フィギュアスケーターの織田信成さんが、
街ぶらロケを行なっている様子が放送されていたのだが、
織田さんは数人組の女子大生に声をかけ、
彼女らにこのように質問した。
「彼氏いる人〜?」
おそらく世間一般的に「普通の」問いかけだと思うのだが、
この昭和生まれの僕でさえ、この「彼氏いる人〜?」という問いかけに、
今の段階で、本当にほんの少しではあるが、かすかな違和感を抱くようになってきている。
見た目完全に女性だからといって、必ずしも付き合う対象が男性とは限らないという事を、
昭和生まれの僕でさえ、ほんのりと意識するようになってきている。
もし今から数年前(具体的に何年前?と聞かれたら、それはそれではっきり答えられないんだけど)に、
このような問いかけを、テレビで目にした、耳にしたとしても、恐らく僕は何も思わなかっただろう。
けれど2022年の今現在、少なくとも個人レベルで、何か微細な違和感を感じてしまった。
今後おそらく「彼氏(彼女)はおられるんですか?」という問いかけよりも、
「お付き合いされている方はおられるんですか?」、あるいは「パートナーはいますか?」
と問いかけるのがマナーです、という風潮にどんどんなっていくような気がする。
こうした今後の時代における新たなコンセンサス要素について、
僕自身は別に
「なんか色々面倒くせえ事になってきたなあ」とは思わない。
どちらかと言うと、むしろ良い傾向だと思う。
やっぱり多数派の論理主導でやりくりしてきたこれまでの時代は、いろいろな歪みを生んできたのも事実なのだから。
ただ、マイノリティの意見を持ち上げすぎて、今度は「逆差別」と言えるような状態になるのも僕は望んでいない。
繰り返すが、この問いかけをした織田さんは、現時点ではごくごく普通の問いかけをしたと思う。
別におかしくも何ともないと思う。
違和感を覚えた僕の方が少々過敏になっている、と誰かに指摘されても、それはそうなのかもしれない。
今の段階の多くの人から見て、僕は「過敏」なのだろう、おそらく。
でも今後、確実に少なくともテレビでは使わなくなる(使うのを控える)フレーズになるんだろうなあ、という気はする。
今後、ゲイやレズビアン、バイセクシャルや、中性的な見た目、感性の人、あるいは性自認の境界が曖昧な人の割合は、どんどん増加すると思う。
それは、今後さらに性自認をカミングアウトしやすい雰囲気の世の中になっていくから、という社会学的変遷の側面と、
生物学的変遷という科学的側面の、両面を持ち合わせていると僕は予想する。
そうなると、今日のタイトルのような
「彼氏(彼女)いますか?」は、プライバシーの観点からのみならず、
ジェンダー的観点から捉えても、今後デリカシーに欠ける質問としてみなされる可能性は大いにあるだろう。
ちなみに皆さんにとってはどうでもいいでしょうが、
僕は女性が好きです。
まあ本当にどうでもいい情報で申し訳ないですが。
という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。