前の記事で「わたしは、ダニエル・ブレイク」という映画のレビューをしたが、
(リンクはこちら↓)
https://shingosan.hateblo.jp/entry/2021/10/13/204158
昨日は外出して、TOHOシネマズでもう一本映画を見てきた。
それが「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の4Kリマスター版。
僕はアニメや漫画にはあまり強くなく(要するに詳しくなく)、
ジブリの作品でさえ、ちゃんと腰を据えて見たのは「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」だけ。
「鬼滅の刃」は炭治郎が岩を真っ二つにするところから見ていないし、
ワンピースも最初の方の病気の少女の回あたりから全く見ていない、という感じで、
(両方とも、なんだかめんどくさくなってきて途中で見るのをやめている)
ぶっちゃけて言ってしまうと、アニメや漫画にそんなに「熱」がない。
なので、この映画の1995年の最初の公開当時、「攻殻機動隊」というフレーズは知っていたものの、触手は動かなかった。
失礼ながら士郎正宗さん作の原作も読んだ事がないし、
監督の押井守さんの事も「確か、パトレイバーの監督だったよな?」くらいの認識である。
ちなみに、この映画が「アバター」のジェームズ・キャメロン監督や、
「マトリックス」の監督、ウォシャウスキー姉妹に影響を与えている、という話は知っている。
今回は、TOHOシネマズウェンズデイという事で「とりあえず1200円の割引料金で見れるから、なんか見とこ。」という動機かつ、
上映開始時間が、ちょうどその後の予定に対して都合が良かったので本作を見た、という感じだ。
さて、あらすじなのだが、今回はあえてものすごくざっくりした言い方にする。
手を抜きたいわけではなく、
この作品は、作品内専門用語なり固有名詞がとても多いので、僕の文章力でそれらを多用して説明すると、非常に読みにくい文章になるような気がしたのだ。
よって「そんな乱暴な」と皆さんに思わせるほどに簡潔な書き方で、あらすじを説明すると、
「超高度情報化社会で、『人形使い』と呼ばれるハッカーが現れ、それを公安警察に属するサイボーグが追い詰める話」である。
繰り返しになるが、冒頭からとにかく専門用語のオンパレードである。
始まってすぐ、
「あ・・・俺、この話についていけるかな・・・。」と不安になったが、まあ何となく話の流れはわかった(と思っている)。
思っていた以上に暗く、全体を通して湿り気と冷えた空気感が支配する作風。
独特の音楽。
細部にわたって緻密に描き込まれた作画。
「自分」とは一体何をもって「自分」とするのか?という、難解かつ哲学的な問いかけ。
爽快感を感じるシーンは、ほぼ皆無。
なるほど、これは間違いなく人を選ぶ作品である。
25年前、この作品の存在を知りながらもリアルタイムで見る事はなく、しかし確実にアニメファンの間では「伝説」として語り継がれている空気感だけは察知していた僕だが、
今回ついに見る事になって色々と感銘を受けるものはあった。
やはり、なんといっても映像面でのインパクトである。
冒頭、仲間から「少佐」と呼ばれるサイボーグ(作品内では「義体」と呼ばれている)
「草薙素子」が、ほぼ全裸になって高層ビルから飛び降りるシーンからして強烈。
そして個人的には(いや多分、これを見たほとんどの人がそうかもしれない)、
クライマックスの蟹か蜘蛛のような形をした戦車と戦うシーンにおいて、戦車の上に乗っかっての草薙素子が強烈だった。
ネタバレになるので詳しくは言えないが、
僕はあの時の草薙素子の姿に、なにやら強烈な得体の知れないエロスを感じたのだが。
今作品は、上映時間80分。
終わった時、「え?終わり?短か!」と心の中で叫んでしまった。
あとでウィキペディアなどで作品の詳細を調べてみると、この映画は原作漫画の第1巻の映像化である、との事。
どうりで物足りなさを感じたわけだ。
しかも「イノセンス」という続編もある、という事も後で調べてわかったので(その程度の知識しかない状態でこの作品を見たわけである)、
これはこれで、また気が向いたら見ようかな?
この映画に対する僕の評価は、100点満点で80点。
人によったら「何が面白いのかさっぱりわからない」作品かな、とも思うが、
僕は個人的には好きな方だ。
あと最後に、これは読者の皆さんにとってはどうでもいい事なのだが、
本作に登場するキャラクターを演じる声優さんの名前が僕の母親と同姓同名であった事と、
人形使いが自分を称する際に使用した「プロジェクト2501」という数字が、
月と日にちが逆転する形ではあるが、
僕の誕生日1月25日とリンクしている事に、
妙なシンクロニシティを感じた。
というわけで、今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。