シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(重要部分のネタバレなし)「ドント・ブリーズ」 盲目の爺さん(ほぼ不死身)VS悪ガキ窃盗団

 

昨日は自宅で「ドント・ブリーズ」を鑑賞。

 

f:id:otomiyashintaro:20220124234547j:image

 

2016年公開のアメリカ映画。

 

ひとことで言うと、

3人組の若者窃盗グループが、

盲目の退役軍人の一軒家に忍び込み、

金を奪おうとするが、案の定見つかってボコられる(まあ、ボコられる程度ですまないのだが)という映画。

 

上映時間は90分弱で、緊張感が持続したまま、ダレる事なくあっという間に終わる。

 

「途中で飽きさせない」「スリルを味わえる」という点では、優秀な映画と言える。

 

しかし、これを見終わった後に僕の心に残ったのは、何とも言い難いモヤモヤ感であった。

 

この盲目の退役軍人、もう「お爺さん」といって差し支えない年齢に見えるのだが(60代中盤くらいか)、

イラクの最前線で戦っていた事もあってか、

めっぽう強い。

 

「おい、そこまでやられたら普通死ぬぞ」というレベルの攻撃を受けても死なない。

 

あまりに頑丈すぎるし、

「米国版座頭市」と言わんばかりの(若い人、座頭市ってわかるのかなあ・・・?)

視覚以外の感覚の鋭さで、窃盗グループのガキどもを追い詰めていく。

 

爺さんの家に盗みに入った3人のガキは、

当初は爺さんが眠りに就いているうちに、こっそり忍び込んで、金だけを奪っておさらばするつもりだったのだが、

映画の展開的に、そんなうまい事いくわけなく、案の定、爺さんに見つかってしまい(盲目なので「気づかれてしまい」の方が適切か)、

殺るか殺られるかの戦いに。

 

人間の行動パターン的に、

泥棒に侵入されて対峙してしまった以上、

我が身を守る行動に打って出るのは(自分が犯人と肉体的に渡り合えると判断できたならば)当然と思われるので、

僕は基本的に爺さん側の立場になったつもりで、

最初の方は「ちょっと、このクソガキ達をこらしめてやってください」という気持ちだった。

 

しかし、

ガキたちも根っからのワルとは言い難い連中で、

「爺さんにやっつけられたら、それはそれで可哀想かなあ」という気持ちも湧き起こり、

爺さんに見つかってすぐの時は、

「さっさと謝って、金だけ置いて逃げろ」という、ガキどもに対しての応援(?)の気持ちも微妙に沸き起こってしまった。

 

この「爺さん、結果的に犯人を殺したら、それはそれでしゃーない。強盗に入られたんだから」という気持ちと、

 

「クソガキども!確かにお前らの行いはあかんが、なんとか生きてこの家から脱出しろ!」という、相反する気持ちが混濁して、

見ているうちに「自分の中の正義の定義」が、よくわからなくなってきてしまった。

 

ある意味、哲学的な映画かもしれない。

 

そして厄介な事に、中盤くらいになると、

爺さんが、世間には決して曝け出す事のできない「隠し事」をしている事が判明して、

またもや話はややこしくなる。

 

「爺さん・・・・色々あったのはわかるが・・・・それは・・・・あかんやつや・・・・」というレベルの隠し事。

これは重要なネタバレなので、言わないでおこう。

 

で、そんなこんなで、緊張感が切らされる事なくラストまで辿り着くのだが、

結局、見終わって思ったのは

「・・・・で、何?」である(笑)。

 

最初の方にも書いたように、ただモヤモヤ感だけが残る。

 

全くスッキリしないし、何の感動、感懐深さ、感心もない。

 

「ただ90分間、スリルのあるものを見た」というだけの話。

 

まあ、ジャンル的にホラー系、スリラー系と言えるものに、心を豊かにしてくれる何かを求めても意味がない、というか、

それはお門違いなのだが。

 

僕の評価は100点満点で、50点。

 

クソガキ達の行いを見て、

「やっぱり悪いことはしたらあかん」という教訓は得た。

 

という事で、今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。