昨日は、Amazonプライム・ビデオで
2018年公開の映画「家へ帰ろう」を鑑賞。
88歳にもなるおじいちゃんが、
医師から切断を勧められるほどの怪我を負った右足を引きずって、
70年間一度も会っていないし、連絡もとっていない、かつての親友に、
自分が仕立てたスーツを渡しに、
ぶっつけ本番で一人でアルゼンチンからポーランドへ旅立つという、
かなりチャレンジャーな話。
名をアブラハムという、この主人公のおじいちゃんなのだが、なかなかに頑固者で偏屈な性格をしていて、
その性格が故に娘と仲違いし、何十年もの間、娘と一切連絡を取っていない、という過去を持っている。
しかし、そんなことが軽く思えるほど、アブラハムには娘との関係以上に重くのしかかる過去がある。
それはアブラハムがユダヤ人であって、かつてドイツ軍が行ったホロコーストの生き残りであるという事だ。
家族をナチスに殺され、行き先である「ポーランド」という言葉さえ、声に出して発音したくないほどの辛く苦しい過去。
もちろん「ドイツ(Germany)」という言葉も同様に、口にしたくもないし考えたくもない。
それほどのトラウマを抱えるアブラハムは、
訪れる各地でいくつかのトラブルに直面するのだが、
その度に心優しい女性たちがことごとく現れて、アブラハムを助けてくれる。
頑固で皮肉屋な性格だが、会話の中にウィットに富んだ言い回しを絡めたり、子供っぽい部分もあって、どこか憎めないところがあるアブラハム。
ドイツに足を踏み入れる段階に至っては、
ドイツに対する憎悪の念を剥き出しにし、駅のプラットホームで、自らが経験した凄絶な過去を、旅の途中で付き添ってくれたドイツ人女性に告白。
この映画の中間のハイライトであると思うが、
人間を人間でなくさせる、戦争というものの恐ろしさがあらためて伝わった。
ドイツからポーランドに向かう途中、アブラハムに最大のピンチが訪れるが、果たしてその結末は・・・
という事で、90分の上映時間はあっという間であった。
この映画は前々から見てみたかった、
といったものではなく、昨日寝る前に映画1本分見れるくらいの時間があったので、
「何を見ようかな?」と物色していたら、評価が高かったので見てみた、という1本。
見て良かった。
こういう映画は、見終わって完全ハッピーな気分にはなれないかもしれないけど、若い人たちに出来るだけ見てほしい気持ちになる。
僕の評価は100点満点で89点。
最後に、僕がこの映画を見て得た教訓を3つ。
1・海外の宿泊先から外出する時は、ドアは当然のこと、窓の鍵も決して掛け忘れるな。
2・相手から期待した言葉が出てこなかったくらいで激怒するな。
3・会いたい人には、体が元気なうちに会いに行こう。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。