「DOGMAN ドッグマン」を鑑賞。
100点満点で、72点。
※今回もネタバレしていますので、未見の方はご注意。
幼少期から少年期にかけて父親に虐待され、半身不随になった男が、
長年世話をしてきた犬たちと共に過ごした自身の半生を振り返る、という内容。
リュック・ベッソンが監督としてメガホンを取った映画を見るのは、本当に久しぶりである。
僕の世代的にリュック・ベッソンといえば、やはり「レオン」で、
僕が見たのは、確か自身が高校生の時だったと思うが、
当時は、とにかくその完成度の高さに深く感動したものである。
しかし、そこからは「フィフス・エレメント」、「ジャンヌ・ダルク」と、
僕としては非常につまらない作品が連続したので、
その後のリュック・ベッソン作品には、皆目興味を無くしてしまっていたのだが(実際、作品名すら思い浮かばない)、
今回、この「ドッグマン」については、中々良かったと思う。
前半、ギャング団のボスの股間に犬が噛みつくシーンで、
「おお!これ、思ってた以上に面白いんちゃうか?!」とワクワクし、
そこから主人公のダグラスが、
いかにして多くの犬を従えて孤独に暮らす犯罪者に変貌していったのかが語られていくのだが、
最後の方に行くに従っては、ちょっと何というか、ジョーカーのこぢんまりバージョン(ワンちゃん付)になった、という感じで、
若干の尻すぼみ感は否めないものがあった。
ラストシーンについては、
そこに至るまでに、犬の凶暴性というか、人間に従順な存在であっても、なんだかんだで犬も肉食獣であるという「動物の怖さ」みたいなものを見せつけられたシーンがあったので、
「え?これは、まさか『パフューム』のラストみたいになるのか?」と、
ちょっとドキドキするものがあったのだが(『パフューム ある人殺しの物語』は、2007年の作品)、
結局は「あとは観客の想像に任せます」的な演出になっていて、「ホンマのところ、どうなったん?」と、僕としてはどうにもモヤモヤするものがあった。
ちょっとあのラストは、オチをぼやかしすぎているような気がして、もう少し具体的な情報があっても良かったような気もするのだが・・・。
あと、ダグラスがドラァグクイーンとなって舞台で歌う場面は、
「いや、普通にこれ口パクじゃね?」と思ってしまって、ちょっと冷めてしまい、
それまで面白く見れてはいたが、ちょうどここらあたりで中だるみ感が出てきた、というのが正直なところだし、
大富豪の家の宝飾品を犬たちが盗みに行くという展開も、
「いや、防犯カメラがどうのこうのより、きったない場所通って来たんやから、普通に犬の足跡残ってるやろ?」と、
ツッコみを入れるのを禁じえなかった。
ただそれにしても、作品の頭から最後まで、本当に凄いと思ったのは、このワンちゃんたちである。
僕はどちらかというと猫派な人間なのだが、
とにかくこの映画で演技する(?)犬たちの姿には終始感嘆しきりであった。
何はともあれ、今作はリュック・ベッソン監督の、ホームラン級とまでは行かないが、久しぶりのタイムリーヒット的な面白さを持った作品であると思う。
そうそう、ホームランとかタイムリーヒットと言えば、この記事のタイトルにもあるように、なぜかギャング団が集まるバーレストランみたいな場所に、
僕の見間違いでなければ、明らかに阪神タイガースのレプリカユニフォームを着ているヤツがいたのだが・・・。
阪神ファンの僕としては、一瞬、映画のストーリーを追うよりそっちに気が行ってしまって仕方がなかった(笑)。
ちなみに背番号は25番(かつての新井貴浩さん)でした(笑)。