シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(極力ネタバレなし)「キングスマン ファースト・エージェント」 優等生エンターテイメント映画だと思う。それ故に「模範解答以上の面白さ」は感じなかった。

元日はTOHOシネマズなんばにて、

キングスマン ファーストエージェント」を鑑賞。

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キングスマン」シリーズ3作目の今作は、

スパイ組織キングスマンの発祥の物語なのだが、

僕自身はこれまでのキングスマン2作品を見ておらず、

この「ファースト・エージェント」が、キングスマンシリーズ初体験である。

 

オーストリア=ハンガリー帝国のフェルディナント大公の暗殺が第一次世界大戦の発端となる事は、僕も学校で習ったので多少は知っていたが、

この作品では、その暗殺の実行犯プリンツィプを操る「羊飼い」と呼ばれる謎の男が登場する。

 

この「羊飼い」については、もちろん学校で習った事はない。

これは映画上の架空の設定だろう。

 

羊飼いに従うのは、怪僧ラスプーチン

女スパイであるマタ・ハリロシア革命を主導したレーニンなど、多くの人が一度は名前を聞いた事はあるかもしれない人物たちだ。

 

世界大戦を止めるべく、ひいては羊飼いの陰謀を止めるべく、

由緒ある英国貴族としての表の顔を持つオーランド・オックスフォード公は、

息子のコンラッド、執事のポリー、ショーラと共に、「国家に属さないスパイ組織」として諜報活動に乗り出す・・・というのが物語の大筋。

 

今回は先に点数を出します。

 

僕の評価は100点満点中で、70点。

 

記事のタイトルにもあるように、

娯楽作品としてはかなり「優等生な」作品だと思うのだが、

それ故にか、何かこう「突き抜けたもの」を感じなかった、というのが正直なところ。

 

この作品には3パートの大きな流れがある。

 

怪憎ラスプーチンとの対決までの前半、

オックスフォードの息子コンラッドが志願して戦地に赴く中盤、

羊飼いの本拠地に乗り込み、最後の決着を着けにいく後半、

とそれぞれに見せ所はあるのだが、

僕の感想としては、ラスプーチンパートを終えた後、中だるみを感じだした。

 

中盤の戦場パートは、その中だるみを解消する役割を担っているはずなのだが、

どうも僕には、この戦場パートが映画の中で「浮いている」ように感じて仕方がなかった。

 

この戦場パートは、

ともすれば一本の戦争映画の独立したワンシーンとして抜き取られてもいいくらいの、

一定以上のシリアスさと緊迫感を持っていると思えるのだが、

それ故に、先ほどまで展開されていたラスプーチンパートとのギャップ、高低差に少し僕の気持ちがついていかなかった。

 

ラスプーチンパートに話を戻すが、

そもそも「ラスプーチン」という、人間を超越したような存在そのものに、ある種のファンタジーとも言える要素があって、

そのような存在とキングスマン達の対決シーンは、まさにそのファンタジーを体現したものであり、

このシーンは、アクションと音楽(チャイコフスキーの「くるみ割り人形」だったと思う。間違ってたらごめんなさい)

との絶妙なハーモニーで観客を存分に楽しませてくれる秀逸なエンターテイメントチャプターだったと思う。

 

実際に最後まで見終わった後で「一番印象的だったシーンは?」と問われたら、

僕はラスプーチンとの対決場面と答えるだろう。

 

そんなエンタメ、ファンタジー要素が色濃い前半のクライマックスの後、

あのシリアスかつ、中々に迫真の戦争シーンを見せられるのは、

一回の食事に例えると、カレーライスを食べた後に、さほど間をおかずして豚骨ラーメンが目の前に出されたような感覚、と言えるかもしれない。

 

メインと言える料理の後に、またメイン格の料理が出る重さ。

 

「いやー、カレーの後に豚骨はキツいっす」と僕はなってしまった(・・・ん〜、こんな事感じたの僕だけかな?)。

 

この作品におけるカレーも豚骨ラーメンも、どっちもある程度以上の美味しさなのだが、そのジャンル違いでの連続は・・・僕には濃すぎる。

 

ただ、戦場パートの結末は「えっ!?」というもので、個人的にはかなりのショックを受けた。

 

これは核心に迫るネタバレになるので、詳細は書けないが、あのシーンでちょっと僕の目が覚めたというか(眠かった、という意味ではない)。

 

そして終盤の羊飼いのアジトに乗り込むパートは、

これがまあ、かなり「主人公、ピンチに陥りますが、そこはやっぱり死にまへんねん」的な都合のいい展開なのだが、

このあたりが最終盛り上げパートという事もあって、映画の中で一番スリリングな部分ではあると思う。

 

一応、最後に羊飼いについて「タネ明かし」があるのだが(これももちろん書けない)、

正直、僕はそれを見せられても

「あ・・・ああ、そうやったん・・・」という感じで、

この点に関しては特段驚きはなかった。

 

それよりもむしろ

「いや、だとしたら忙しすぎるやろ。どうやって時間を捻出するねん?」と、思わずツッコんでしまったのだが。

 

このラストと、先ほど述べた戦場パートの結末が気になる人は是非、その目で確かめていただけたらと思う。

 

という事で、2022年の一発目の映画レビューは「キングスマン ファースト・エージェント」でした。

 

ちなみに本編が終わってエンドロール後も

「仕掛け」があるのでお見逃しなく。

 

ちょっと時間ができたら、前の2作も見てみようかな?

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

今年もシンゴさん日記をよろしくお願いします。