シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

ウソやろ・・・。鳥山明先生が亡くなる。

こんなん言うたら「はいはい」と思われるんやけど、ほんまのほんまに数日前、何の前触れもなく急に「鳥山先生、お元気にされてるのかな?」と頭に浮かんだんよね・・・(もちろん、ご病気のことは僕は知らず)。

 

そこから数日後に急逝の一報って・・・。

 

僕ら1970年代後半生まれは、まさに鳥山作品の直撃世代。

 

小中の頃、休み時間に少年ジャンプを開いて、それを見ながら、ノートにドラゴンボールのキャラの絵を描いたり、ドラクエのキャラを描いたりしてたなあ。

 

漫画のキャラで、子供心に「うわ、この女の子かわいい」と初めて思ったのは、ブルマやった。

 

唯一無二の漫画家さん。

鳥山先生、本当にありがとうございました。

謹んでご冥福をお祈りします。

【ネタバレあり】「コットンテール」 「奥さん、なぜこの男に惚れたんだ?」と思うくらい、主人公のオヤジの支離滅裂ぶりに感情が振り回される一本。

「コットンテール」を鑑賞。

100点満点で、73点。


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※今回、ネタバレを含んでいます。未見の方はご注意。

 

 

妻に先立たれて自暴自棄になっているオヤジをリリー・フランキーが演じる。

 

妻が遺言として残した手紙に、

「私の遺骨をイギリスのウインダミア湖に撒いてほしい」と書かれていたので、

オヤジは自分の息子夫婦と共にイギリスへ向かうのだが、

まあとにかくこのオヤジが、

不器用というか自由気ままというか、その場の思いつきに任せた自分勝手な行動を取って、息子夫婦を困らせるのである。

 

ちょっと途中で僕も「いったい何やってんだ?このおっさん?」と、見ていてイライラしてしまったのだが、

オヤジと死んだ奥さんの馴れ初めからお別れまでの一連の回想シーンが、要所要所で展開される度に、

「ああ、そういうことだったのか。なんか・・・ちょっとごめん」みたいな感じになってしまって、終盤ともなると、オヤジにかなり同情してしまった。

 

僕自身も、かつて家族に同時期に認知症を発症した人間が2人いて(父と祖母)、自分で言うのもなんだが、

大変な苦しみの感情を味わった人間なので、あの苦しみ、苛立ち、やるせなさがわかるというか、まあ本当に大袈裟でなく、ちょっとした「地獄」を見たのである。

 

なので、最終的にオヤジと息子夫婦が、亡くなった奥さんからのお願いを遂行できた時、「大変だったでしょう。お疲れ様」といった、ホッとした気持ちになった。

 

作品としては、間違いなく良作だし、

僕も最後の方は、オヤジと息子の会話に感極まって泣きそうになったのだが、

個人的には、全体的に若干薄味というか、

どことなく物語に迫真性や重厚さが感じられないというか、

オヤジと息子の人間関係が、いまいち良好でないものになってしまった理由がわかるような決定的な描写が無かったので、

物足りなさのようなものを感じたのは正直なところ。

 

もう少し上映時間が伸びてもいいから、

そのあたりの掘り下げがあれば、もう一段上の深い感動を味わえる作品に仕上がったかもしれない。

 

あと最後にね、いくら奥さんのお願いが大事でも、人の自転車をパクってはいけない。

普通に犯罪なので。

 

【詳細なネタバレはなし】「犯罪都市 NO WAY OUT」 お金をそこそこにかけた韓国版Vシネマでした。

犯罪都市 NO WAY OUT」を鑑賞。

100点満点で、49点。


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「エターナルズ」というハリウッド作品に、ヒーローの一人として出演していた韓国系アメリカ人の俳優マ・ドンソクが、

やたらと腕っぷしの強い刑事として登場し、パワーのゴリ押しで事件を解決する(笑)という作品。

 

僕は知らなかったが、この「犯罪都市」はシリーズ作品で、これが第3作目らしい。

 

日本の反社と韓国の反社が中心となって、合成麻薬の取引をしていたのだが、

麻薬の一部が何者かに横流しされ、それを巡っての抗争が繰り広げられる・・・というストーリーであった。

 

僕の端的な感想としては、「Vシネマやね、これ」という感じ。

 

今どきの若い人たちは、

「Vシネマ」というフレーズを聞いてもピンとこないと思うが、まあ何というか、とにかくVシネマという形容がぴったりフィットするような作品だと思った。

 

脚本も別に何か大きく驚かせてくれるような凝った内容ではないし、

アクションも基本的に、殴る、殴る、ほんでもってさらに殴って・・・、

最後の仕上げに・・・殴る!を繰り返すみたいな感じで(笑)、後半に行くに従って、「またか」という気持ちにさせられて、僕は途中からだいぶ飽きてしまった。

 

マ・ドンソク演じるソクト刑事は、反社相手にとにかくすぐ手が出るので、

それを見続けている僕の頭の中では、ダイアン津田の「すぐ言う〜」のトーンで、「すぐ殴る〜」というフレーズがこだましていた。

 

他に気になったところとしては、

日本のベテラン俳優・國村隼暴力団の組長役で威厳たっぷりに出ていたのだが、

これが結局のところ、終わってみれば、物語においてものすごく重要な鍵を握っているポジションというわけでもなく、

ただ単に組長を演じている國村隼をこの作品内に登場させたかった、という感じで、なんだか「國村隼の無駄使い」のように感じた次第。

 

あとは、世界的ファッションブランドであるグッ○の関係者が、

この映画を見たら気分を害するんじゃないか?というくらい、

とりあえず反社(しかも雑魚キャラ)に○ッチのアイテムを着させたり持たせたりしているのには、

制作者の若干の悪意みたいなものを感じて、個人的にちょっと面白かった。

 

「チンピラ感を上げる=全身グ○チで固めとけ」みたいな(まあ、これは否定できない)。

 

どうやら次回作も作られるようだが、僕はもういいかな?

 

 

個人的にソクト刑事のキャラクター自体は嫌いではないので、

次はもう少し脚本で唸らせるような作品を期待したいところ。

【ネタバレあり】「ネクスト・ゴール・ウィンズ」 少し喩えが古いが「勝つと思うな、思えば負けよ(by美空ひばり)」なサッカー物語。

ネクスト・ゴール・ウィンズ」を鑑賞。

100点満点で、70点。


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※今回、ネタバレしてます。未見の方はこの後の本文を読まない方がいいです。

 

 

2001年のサッカーWカップの予選で、
オーストラリア相手に、31−0というサッカー史上に残る記録的得点差で負けた米領サモアが、
10年後のWカップ予選で初勝利を収めるまでの実話を元にした物語である。


この、サッカーで31−0という有り得ないレベルの得点差の試合が発生してしまったというニュースは、
サッカーに全くと言っていいほど詳しくない僕でも(オフサイドもちゃんと説明できないレベルです)、
何となく「そういえば、昔そんな事が報じられていたな」と、かすかながら覚えていた。


長年、阪神タイガースファンである僕は、
2005年の日本シリーズにおいて、
阪神千葉ロッテマリーンズに、
4試合の合計得点が33-4という屈辱的なスコアで敗北しているのをこの目で目撃しているので、
この米領サモアにはシンパシーを感じた次第(笑)。


映画の作りとしては、
過去のスポ根もの作品でも何度も見てきたような演出手法がふんだんに使われており、
良く言えば安定感はあるが、
悪く言えば「スポ根あるある」だらけで、新鮮味が全くと言っていいくらい無い。


まあしかし、このような「ダメ集団が成長して、最後にたくましく勝利する話」は、
なんだかんだで涙腺を刺激するものがあって、低い評価にもなりにくいので、
まあそこそこ感動できたという感じで、
70点という点数をつけさせてもらった。


ただオープニングで、教会の神父役で出演しているタイカ・ワイティティ監督自身が登場して、
この物語について「(実話だけど)ちょっと盛ってるけどね」というコメントを鑑賞者に向けて発するのだが、
あれは正直いらなかった、と個人的に思う。


その前に(その後だったかも?忘れた)黒バックで「実話を元にした物語」と注釈が入った時点で、
「まあ、映画作品として色々と脚色はしてるだろうね」と、
僕らはある程度見越しているのだから、
それに加えてわざわざ「盛ってるけどね」なんて言われると、
「脚色過多に見えるところも大目に見てね」という監督の言い訳みたいに思えてしまい、
別にそんな事言わなくてもいいのになあ、と思ってしまった。


なんか、あれはちょっと本当に余計だったと思う。


ちなみに、映画を見終わった後に、
米領サモアにチーム初勝利を献上してしまったトンガが、
米領サモアとどれくらいの実力差があったのかな?と気になったので調べてみたら、
試合があった2011年11月のFIFAランキングで202位だった。

(↓トンガのランキング推移)
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当時FIFAランキング204位だった米領サモアと、大して変わらん弱さというね(笑)。


個人的感覚としては、別に米領サモアの勝利は大金星でもなんでもなく、
いわば弱いチーム同士のどんぐりの背比べ的な感じで、
もしこの情報が、鑑賞前に僕の頭に入っていたら、
僕は、作品内で米領サモアのメンバー相手にイキり倒しているトンガチームのメンバーに対して、
「いや、お前らもたいがいやろ」とツッコんでいたと思う(笑)。


勝負事においては、「勝利」は喜びそのものであると思うし、
勝利こそが、そこに至るまでの苦悩や困難を美しい思い出に変換するのかもしれないが、
「勝つことだけに囚われる」と、本当に大事なものを見失う。


美しい海に浮かぶのどかな小国の人々に、
とても大事な事を教わった一本でもあった。

【ネタバレあり】「身代わり忠臣蔵」 思いのほか面白かったけど・・・、最後の方は・・・。

※今回、かなり詳細にクライマックスシーンのネタバレがあります。

未見の方は読まない方がいいです。

 

「身代わり忠臣蔵」を鑑賞。

 

100点満点で、70点。


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ムロツヨシ吉良上野介と、上野介と瓜二つの上野介の弟・孝証(たかあき)の一人二役を演じる、コメディテイストを交えた忠臣蔵

 

個人的にはムロツヨシの出ている作品を今までそんなに見てきたわけでもないのに(もしかしたら、「変態仮面」くらいかもしれない)、

なぜだか「この映画、ムロツヨシがすっごく『ムロツヨシ感』を出してきてるなあ」と思ってしまった(笑)。

 

不思議な感覚である。

 

もしかしたら、何かのバラエティ番組で喋っていた時のムロツヨシの印象が僕の脳裏に強烈に残っていて、

演じている姿がどことなく、その時の印象と重なるものがあったからなのかもしれない。

 

この映画におけるムロツヨシは、

ムロツヨシムロツヨシたる所以である相当に暑苦しいキャラ全開なので、

合わない人には、それだけで合わないだろうが(ムロツヨシさん、失礼な物言いで本当にすみません)、

僕はそんなムロツヨシの一挙手一投足を、基本的に面白く見れた一人である。

 

作品としては、おふざけを挟みつつも、「しっかりした忠臣蔵の物語」であり、

最終盤の討ち入り直前のシーンまでは引き込まれるものがあったのだが・・・、

討ち入り後の展開が僕には残念に思えた。

 

ちょっとあれは、都合が良すぎるかな?と。

 

コメディ系時代劇という体を取っているせいなのか、

討ち入り後の武士同士の戦いにおいて、

不自然なくらい負傷している人がいないし(明らかに刺される人が一人いるが)、

まして死人など一人も出ないのは、まあ仕方がないか、と割り切るとしても、

永山瑛太演じる大石内蔵助が、飛んできた矢をタイミングよく掴んだのには、

流石に「いやいやいや、それは無理でしょ」となったし、

その後、本物の吉良上野介の死体を偶然的に見つけてしまって、

孝証が一命を取り留める、という展開があまりに都合良すぎで、「なんだかなあ」と思ってしまったし、

その後、上野介の生首でラグビーまがいのパス回しについては、

いくら作り物とは言え、この映画の中では、それまでとはテイストの違う異質な笑いの取り方のように思えて、若干やり過ぎのようにも感じたし、流石にちょっと引いた(笑)。

 

そもそも本物の上野介の死体を隠している場所を、

林遣都が演じている家臣が孝証に教えていないのもなんだか不自然に思えたし、

僕が思うに、最後をあのような行きあたりばったりの展開にするぐらいなら、

むしろ、最初から孝証が上野介の死体が塩漬けで保管されている事を知っていて、

その死体から首を切り落として、ひと芝居打とう、という段取りを、

あの屋形船での二人きりの打合せですでに決めている展開の方が、僕的にはすっきりしたのだが・・・。

 

とにかく、討ち入りしてからの一連の流れについては、

あまりに都合が良すぎて面白くない、と僕は感じてしまった。

 

というわけで、討ち入り前の展開までは85点だったが、討ち入り後で、15点マイナスの70点。

 

途中までは、「思ってたより面白いな、これ」と思いつつ見ていただけに、惜しい作品でした。

【ネタバレあり】「夜明けのすべて」 夜空に輝く星たちのように、闇に包まれてこそ見えてくるものがある。

夜明けのすべて」を鑑賞。

100点満点で、86点。


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※ネタバレしているので、未見の方はこれ以降はご注意。

 

 


パニック障害に苦しむ男性と、
月経前症候群に苦しむ女性の物語。

僕自身は原作小説は未読。


ハラハラするような場面がいくつもあり、
中盤あたりからは、「やめてくれよ、やめてくれよ。胸糞な展開になるなよ・・・」と祈るような気持ちで見ていたが、
結果的には致命的レベルの事象は起こらず、
見終わった時には「ああ良かった」と、
ホッとした気分になった。


この作品は、ほとんどの映画によくあるような、
「後半に向かってイベントの大きさが増していき、客の興味を惹き付ける」タイプではなく、
「後半に向かってだんだん平穏になっていく」事で、客を安心させる、という方向性を持っており、その終わり方が何とも心地良い。


それは、別にハッピーエンドといった単純なものではないし、
最後に至るまで二人の病が治っているわけではないので、
ラストシーンまで辿り着いた時に、
その二人の落ち着きどころについて、「これで良かった」などと結論づける事もできないのだが、
じゃあ何が良かったのかと言うと、
結局のところ、「ある人の心が、人生に対してより広い視野を持てるようになる過程を見れたこと」が良かったのである。


主人公の二人以外にも、苦しみを抱えた人物が登場するし、
作品内でそういったフォーカスをされていない他の登場人物たちも、
きっと大なり小なりの苦しみを抱えているはずだ。


苦しみなんて、この世から一切合切無くなれば良い、と思うのが人情だが、
どうやらそんな事は夢物語に違いないので、
僕たちにできる事は、「心の器をできるだけ広げていく」しかないのだろう、恐らく。


フィクションなのに、二人の主人公を含む、この映画に登場する全ての人に対して、
「皆さん、どうかお幸せに」と、祈ってしまうような作品だった。

やはり休日の前の夜は眠りが浅い(何故なの?)。そして夢の中で女性と殴り合いの戦いを繰り広げる。

最近は、以前に比べたらよく眠れていて、

だんだんと心身共に健康を取り戻してきたが、

昨日の夜は、

またというか、やはりというか、

「休日の前の夜に何故か朝早く起きてしまい、そこから中々寝付けない病」が発動した(下の画像の睡眠ステージの赤い部分は途中で起きている時間)。f:id:otomiyashintaro:20240215094523j:image

 

布団の中で再び眠りに落ちるまで、じっと辛抱するのも何なので、

目をつぶりながら外国語のリスニングを開始する。

 

体感で1時間くらい聴いた後、ようやく眠たくなってきたので、再び寝ることができた。

 

それにしても、最近見る夢の内容がカオスすぎる。

 

こないだ見たものでインパクトがあったのは、

なぜか僕が料金研究家の平野レミ(と夢の中で僕が思い込んでいる人物)と殴り合いをし、

その平野レミっぽい人を罪悪感と共に倒した後、

僕が青空に向かって「おっぱいが・・・、おっぱいでありますように!!!!」と、

2000回くらい輪廻転生を繰り返しても現実世界では発しないであろう謎すぎるセリフを絶叫した後、目が覚めたやつ。

 

起きてから一人で笑いをこらえきれず、同時に「完全に病んどるな」と思った(笑)。

 

今日もぐっすり眠れますように。