シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(核心部のネタバレはなし)「モービウス」 一言で言うと、ハルクの吸血鬼バージョンです。

 

昨日は、なんばパークスシネマにて

「モービウス」を鑑賞。

 

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マーベルコミックでは、

スパイダーマンの宿敵として登場するらしい「モービウス」。

 

「らしい」と書いたのは、

僕がコミックを読んだことがないので、

このモービウスというキャラクターが、

コミック内でどういった描かれ方をされているのかを知らないからなのだが、

この映画の中でのモービウスは、

「人を救いたい」という志を持つ医師の顔とは裏腹に、

モンスターに変身したことによって、

殺人を犯してしまった罪と苦悩を抱えて生きるヴィラン(悪役)、

として描かれている。

 

子供の頃から、

1日に3回全身の血液を交換しなければ死んでしまう難病を患っている医師、

マイケル・モービウス。

 

病気のせいで自由が利かない体でありつつも、彼はその天才的頭脳を駆使して、

人体にコウモリのDNAを組み込むことができる血清の開発に成功する。

 

「この血清を体内に注入すれば、

自分はおろか、自分と同じ病気に苦しめられている人々も救うことができる」

と、マイケルは信じていた。

 

そしてこの難病に苦しむ者の一人には、

マイケルの幼い頃からの親友、マイロの存在もあった。

 

公には明らかにしないかたちで、

自分の体を実験台にし、完成した血清を打ったマイケルだったが、

その実験は、病気が治るどころか、

彼自身をモンスターに変えてしまう恐ろしい

結果を生み出すことになる・・・

という、あらすじ。

 

この映画を見ていて、僕がまず思ったことは、

「あ、これ、『ハルク』の吸血鬼バージョンだ」ということ。

 

「ハルク」は、アベンジャーズのメンバーの一人でもある全身緑色の大男。

 

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変身前の姿は、科学者のブルース・バナー博士なのだが、

人体強化の実験で自らを実験台にして、

その実験は失敗。

 

博士は、怒ると怪力を駆使し、

自分の意思を制御できなくなるモンスター「ハルク」に変身してしまう体になってしまった。

 

で、今回見た「モービウス」も、

「自分を実験台にしたら、やっちまいましたわ」パターンで、

ハルクの他にも、

「実験失敗→モンスター誕生」パターンは、

僕としてはいくつか見覚えがあるので(「アメイジングスパイダーマン」に登場した、トカゲになった博士とか)、

正直なところ「ああ、またこのパターンかよ」という感じで、

ワクワク感は全く起こらず。

 

作品全体的に見ても、

よくあるベタな演出が散りばめられた、

脚本的にも特別に唸らせるものもない、

こぢんまりした世界の中で完結するストーリー展開で、緊張感もそれほど高くない。

 

その前の晩はよく寝たはずなのに、

始まってからしばらくして強烈な睡魔に襲われ、

鑑賞中に2回ほど寝落ちしそうになった。

 

自分の体感で、十数分間は、

根性でかろうじて片目だけ開いて見ている状態だった(笑)。

 

この睡魔は、映画のストーリーが進む際のテンポの問題ではなく(むしろテンポは悪くないと思う)、

序盤の方で、

僕が「恐らく、ここから特に何か驚くような展開はないんだろうな」と、

高を括ってしまったからだと思われる。

 

そして、その予測通り、

実際に「おっ」と思わせるものが、

何も出てこないので、まあそりゃ眠たくなるよね、という話である。

 

アクションシーンに関しては、

これは非常にスピード感があって、ある程度の眠気覚ましにはなる。

 

最後のエンドロール前は、

マーベル作品にお馴染みの、

「次回以降のお話につながる予告的なチラ見せ」があって、

基本的にマーベル作品が好きな僕としては、

これはこれで

「ほう、なるほどね。じゃあ次も楽しみにしとくわ」と思えたので、

本編を存分に楽しんだわけではないが、

「見て損した」とまでは思わなかった。

 

個人的に、マーベル作品の要(かなめ)というものは、

「最新のCG技術を駆使した映像のカッコよさ、派手さ」と、

「工夫を凝らしたアクションシーンの斬新さ」が生み出す「視覚的爽快感」に尽きると思っているので、

そういった観点から見れば、

この「モービウス」はヴィラン(悪役)ものであるから、

ダークな作風であるのは受け入れるとしても、

あらゆる面において、

他のマーベル作品に比べてかなり地味である、

と言わざるを得ない。

 

僕の評価は、

100点満点で、65点。

 

こき下ろすような作品ではないと思うが、

「いやあ、面白かった!」と、

興奮して劇場を後にするほどのものでもない。

 

前述のように、

物語の進むテンポは悪くないし、上映時間は1時間40分くらいでコンパクトにまとまっているので、

年齢的に映画の鑑賞経験が少ないであろう

少年少女らがこの映画を見たら、

それなりに怖い思いをしながら(ちょっとホラー的なシーンもある)、

楽しんで見れるのではないだろうか。

 

でも、無駄に色んな映画を見てきたオッサン(僕)には、

あらためて響くものは少なかったかな?

 

ところで、

この映画と同時期のタイミングで「ザ・バットマン」が上映中(僕は未見)だが、

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「よくよく考えたら、このモービウスの方が、

コウモリのDNAを取り込んで、コウモリのような能力を獲得しているから、

こっちの方が本当の意味での『バットマン』だよな」と思ったりした。

 

まあ、それに対して「だからなんだ?」と言われたら、別に何もないのだが(笑)。

 

前述した「最後のおまけシーン」にも、

バットマンにゆかりのある・・・・

って、これ以上は言わない方がいいか・・・。

 

「ネタバレなし」ってタイトルに書いたし。

 

このあたりに関しては、

この「モービウス」を実際に見てもらえれば、40代中盤以降の人なら、

「ああ〜、なるほど」と思ってくれる人がいるとは思う。

 

しかし、ちょうどバットマンの最新作が公開しているこのタイミングで、

という事を考えると、

偶然なのか、業界が計っての事なのかわからないが、

若干のシンクロニシティ的なものを感じて、ちょっと興味深いと思った次第。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。