シンゴさんの、ふとしたつぶやき。

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(核心部のネタバレはなし)「ファイティング・ファミリー」 イギリスのプロレスラー家族が夢見る世界最高の舞台への挑戦物語。

 

昨日は自宅で「ファイティング・ファミリー」を鑑賞。

 

f:id:otomiyashintaro:20220408220702j:image

 

2019年のアメリカ・イギリス合作映画。

 

イングランドのノーリッジという町で、

「WAW」というインディープロレス団体を営むナイト一家。

 

父、母、長男、長女の4人家族全員がプロレスラーであり、

地元のファンたちに支えられた興行を行なっていたが、

資金繰りはいつも苦しい状態。

 

そんなある時、

世界最高峰のプロレス団体である「WWE」がトライアウトを行なう、という話が一家の元に届く。

 

全てのプロレスラーの憧れとも言えるWWEの舞台に立つことを夢見て、

長女のサラヤと、長男のザックは、

2人揃ってトライアウトを受験することに。

 

この試験に合格して、

WWEのスター選手になれば、

家族の経営する「WAW」の評判も上がるかもしれず、

そうなれば「一石二鳥」である。

 

気合十分でトライアウトに臨んだ兄妹であったが、その結果は・・・・

という、あらすじ。

 

アメリカのみならず、世界中に多くのファンを持つプロレス団体WWEの興行は、

単に「リング上でプロレスの試合を見せる」といったものではなく、

ドラマ仕立てのようなシナリオで構築された

エンターテイメントショーであり、

その第一線で活躍できるレスラーは、

世界中に存在するプロレスラーの中でも一握りの存在と言えよう。

 

この夢舞台に上がるために、

毎週、千人以上(と映画の中で言っていたと思う)もの若者がトライアウトに応募してくるという。

 

たとえ最初の試験に合格しても、

その後の練習は、

体力と精神力が限界まで追い込まれる程のとても厳しいものであり、

毎日のように脱落者が生まれるのだ。

 

スター選手にのし上がるというのは並大抵のことではない。

 

プロレスというものは、

世間の一定数の人々から、

やれ「インチキだ」、やれ「出来レースだ」と、

しばしば色眼鏡で見られがちなスポーツエンターテイメントであるが、

 

レスラーたちが、

人目につかない場で日々励んでいる練習自体は、紛れもない「真剣勝負」である、

という事は、この映画で描かれている練習生たちの特訓シーンで伝わってくる。

 

少しネタバレになるが、

トライアウトの結果は、妹のサラヤが合格し、

兄のザックが不合格という、

2人一緒にWWEを目指していた兄妹にとっては「不本意」なものとなる。

 

一人故郷を離れ、アメリカに旅立つサラヤ。

 

かたや地元に残り、スター街道は望めそうにもない今までの生活に戻ることになったザック。

 

お互い別々の道を歩むことになった2人だが、

それぞれの状況においての苦悩が2人を苦しめることになる。

 

夢への第一歩を踏み出した側にも、

夢を諦めきれない側にも待ち受ける苦しみのドラマを、

非常に理解しやすいストーリー展開で鑑賞者に提示してくれるこの作品。

 

全くもって押し付けがましくないかたちで、

家族という存在のありがたさや、

心に留めておきたい人生の教訓を受けとれる事もできる、秀作であると思う。

 

僕の評価は100点満点で、79点。

 

特にレスラーの卵たちを指導するコーチが、

サラヤに「なぜ、ザックを落としたのか」という理由を語るシーンは、

クライマックスのシーンとは別に、

この映画における、もう一つのハイライトと言ってもいいかもしれない。

 

あのシーンで語られたコーチの経験談は、

僕の心に沁みるものがあった。

 

ただ、最後のサラヤ(アメリカに渡ってからはリングネームを「ペイジ」に改名している)

の試合の結末については、

個人的に「え?そんな技であっさり決まるの?」と、拍子抜け感がすごい。

 

もし、あの技を素人の僕が受けたら、

受け身が取れずに入院する可能性は高そうだが(笑)、

プロ同士の試合、という事を考えると、

僕の目からは正直、

「全然、必殺技感ないんですけど・・・」という感じだ。

 

まあ、生粋のプロレスファンの方の目から見ると、

「いや、あれはヤバい技なんだよ!」とお叱りを受けるかもしれないので、

これ以上はごちゃごちゃ言わないことにするが・・・・

けど、あんな技で・・・(まだ言ってる)。

 

ちなみに下の動画が、

映画でも描かれたシーンの「実際の」試合の動画である(ただ、この動画を開いてしまうと、結果的に映画のクライマックスシーンのネタバレになるので注意)。

 

問題の決め技が、映画と非常に似ているが、

少し違う。

けど、この動画であらためて見ても、

「そ、そんなので3カウントとれるの・・・?」というような地味な技なのだが(まだ言ってる)・・・。

 

相手の打ちどころが悪かったのかな?

 

まあ、僕はこういうツッコミ要素も含めて、

これがプロレスの「色んな意味での面白さ」と思っているが。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました