今日はTOHOシネマズで
フランク・ハーバートのSF長編小説を映画化。
映画では2部作になるとの事だが、今回はそのパート1。
僕は原作小説を読んでいないので、今回のレビューは「映画としての」レビューになる。
このパート1のあらすじをざっくり解説すると、西暦1万年以上の未来が舞台で、ある「香料」をめぐるアトレイデス家とハルコンネン家という二大勢力の争いが描かれている。
この香料なのだが、人間の老化を遅らせ、心身の能力を劇的に高める効果をもっており、この世界の人間たちはこの香料に依存している。
香料が無ければ宇宙船の操縦もできないので、この物語に出てくる人間たちにとって非常に重要な物資なのだ。
この香料を大量に埋蔵しているのが、アラキスと呼ばれる砂漠で覆われた惑星である。
アトレイデス家は、宇宙を支配する「皇帝」の命でアラキスの管理を任される事になるのだが、
その惑星にはフレメンと呼ばれる砂漠の世界で生きる民族がいて、
さらに砂漠の中にすむ砂虫(サンドワーム)がいて、
それでいてアラキスから撤退したものの、やはり香料を狙っているハルコンネン家がいて、さてどうなる?・・・・・というもの。
そして物語の鍵を握るのが、アトレイデス家の公爵レト・アトレイデスの息子であるポール・アトレイデス。
彼はある時期から、予知夢といえるような不思議な夢を見るようになる。
その夢は一体、何を意味し、彼にどのような未来をもたらすのか?
・・・先述のとおり、僕は原作を読んでいないし、
この映画も前々から見るのを楽しみにしていた、というわけではない。
今日はTOHOシネマズの会員割引の日だったのだが、これ以外で他に自分が見たいと思える作品が無かったので、消去法でとりあえず見てみる事にした。
消極的な姿勢であったものの、見終わった後の感想としては、「思ってたより面白かった」である。
ただ・・・1本の映画としてはちょっと長いかな。
上映時間2時間30分以上であるが、
「それを感じさせない、あっという間の2時間30分」というわけではない。
序盤はかなり地味で、人によっては眠くなりそうな展開だし、後半は打って変わって興奮する展開になるのだが、
僕が「このあたりで終わってもええぞ」と思った場面からさらに物語が進んでいくので、最後の方はちょっとしんどかった。
本作は2部作であるが、個人的には3部作になってもいいから、このパート1に関しては、もう少し上映時間を縮めてくれたらありがたかった。
おそらくではあるが、パート2も長尺の作品になるだろう。
この作品は物語の長大さ、重厚さゆえに、過去に「映像化は非常に困難」とされていたが、今回は5度目の映像化。
Yahoo!映画で、原作も読んでいるファンの方々のレビューをいくつか拝見させていただいたが、今作は現代の映像技術力もあってか、おおむね高い評価となっている。
その映像の完成度は、僕が今までに見たあらゆる映画の中でも一二を争う出来だと思う。
作品に出てくる移動手段やガジェットには、その多くが超ハイテクとアナログがミックスしている要素があるのだが、個人的にはけっこう好きな世界観である。
トンボのように羽を羽ばたかせて空を飛ぶ飛行機も面白いし、
そのコクピットでの機器類の操作の仕方が、宇宙船で惑星間を移動できるほどのテクノロジーが発達している割には、パチパチと指でしっかり押すアナログなタイプで、僕としては面白いと思った。
序盤の地味な展開は、専門用語も多く出てくるので、集中してしっかり見ておかないと、置いてけぼりにされてしまうだろう。
この物語は、冒頭のあらすじで述べたような、
二大勢力の単純な争いのお話ではないのだ。
僕もこれを書いている今、作品内に出てきた固有名詞の全てを空(そら)で覚えていないし、
見ている途中でも「あれ?○○って、何の事やったっけ?」となってしまった。
まあでも大体の話の大筋は理解できたと思う。
鑑賞者が「なんだかもうよく分からんわ。」と、サジを投げるようなほどの複雑さではないと(僕は)思うので、
こういうSF長編作品は苦手じゃない、という人なら、見て損は無いと思う。
僕の評価は100点満点で79点。
ちょっと今日は辛め。
やっぱり・・・ちょっと長かったかな?
最後の方はけっこう疲れてた。
これが、先ほども言った「このあたりで終わってくれたら」という場面で終わっていたら、
85点くらいつけたかもしれない。
でも、これを見終わって「この続きを見たいか?」と言われたら「是非、見たい。」と僕は答えるし、いつ公開されるかわからないが、公開されたら多分見に行くと思う。
見る前は何の期待もしていなかったが、今は正直パート2が楽しみだ。
というわけで、今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。