「サユリ」を鑑賞。
100点満点で、30点。
※今回はネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。
個人的には、とにかく「くだらないものを見てしまった」という感想に尽きる。
前半は、
家族団らんのシーンで特に顕著であった演者たちのクサい演技に辟易しながらも(別に俳優さんたちに責任はないと思う。ああいうのは、監督をはじめとする作り手側の問題だと思う)、
それなりにちゃんとした作りの、
それなりにシリアスなテイストが漂う心霊系ホラーであったのだが、
途中から完全に「変な映画」に路線変更。
「変な映画って何だよ?」ということであるが、
まあ、これを他の言葉に置き換えると、
「悪ふざけ」というかなんというか、
見終わって自宅に帰宅した今思い出しても、
見てるこっちが羞恥心に苛まれるような、
バッドテイストな「ギャグ系ホラー映画」に成り下がるのである。
質感としては、亀梨和也が主演していた「事故物件 恐い間取り」を思い起こさせるものがあった。
あれも最後の方は、中々にヒドい作品であった。
で、本題の「サユリ」についてだが、
認知症を患っていたお婆ちゃんが突如として「覚醒」し、
中学生の少年と共に、太極拳で悪霊に立ち向かうという展開は、
僕にとっては、本当に意味不明。
お婆ちゃんが突然元気になった(というか、ある意味狂気をまとった)理由については、
何も示されない。
そしてお婆ちゃんの、「正義の名の下の制裁」とはいえ、
ハンマーで生身の人間を殴打し、
アイスピックのようなモノを足にぶっ刺すという、
思っていた以上に凶暴なバイオレンスぶりにも引きまくりだし、
挙げ句の果てには、
愛する家族をことごとく悪霊に殺されたお婆ちゃんと孫の少年が、二人揃って、
「元気ハツラツ!オマ◯コ、マンマン」という掛け声を発する・・・・って、
これ、
この文だけ読んだら、見ていない人からすると、
「おいおい、一体どんな映画だよ?
逆に興味わいてきたわ(笑)」
という思いに駆られるかもしれない。
「何なんだ?この映画は?」と、
イライラと困惑が入り混じる感情でスクリーンを見つめていたが、
クライマックスシーンにおけるやっすいCG映像で、その怒りも頂点に。
「あー、もうやだ」と、途中で席を立ちたくなったが、
やっすいCGのところは、もうほぼ最後の方なので、我慢して最後まで見た。
とにかく、僕が腑に落ちなかったのは、
お婆ちゃんの突然の覚醒もそうであるが、
それよりも、「お婆ちゃん、そんな風に覚醒できるなら、もっと早い段階で覚醒しろよ」という事である。
家族のほとんどが死んでるのに、遅いねん、目覚めるのが。
ちなみに、「オマ○コ、マンマン!」という叫びは、
劇中で、お婆ちゃんが、
「霊はな、生命に満ち溢れていたり、明るくて元気なものを嫌うんじゃ。
だから、何かそんな感じの事を言ってみろ」と孫に教授した結果、
孫が思いついた掛け声である。
この何の前触れも伏線もない、
突然の「オマ○コ」というフレーズに、僕はびっくりした(笑)。
今まで色んな映画を見てきたが、
映画の中で、こんなにハッキリと、そして盛大に、
「オマ◯コ」というフレーズを聞いたのは初めてかもしれない(笑)。
まあ、オッパイやらオマ◯コやらをどうにかしたい、という思いは、
たしかに全男子中学生の心からの叫びであるし、
お婆ちゃんが言うように「生命に繋がる源泉」でもあるので、
あながちおかしな事でもないのだろうが、
「ここでまさかの直球?!」と、
そのワードチョイスのダイレクトさに、
僕は驚いたわけである。
「な、なんじゃそれ・・・?(汗)」と。
映画としては面白くはなかったが、
突然の「オマ◯コ、マンマン!」が、ある意味衝撃だったので、
本来的には、100点満点中15点の評価であるが、
倍にアップして、30点(笑)。
あと最後に、これはどうでもいい事だが、
救出された中学生の女子。
あの子が最後に発したセリフは、
あれはもう「いいよ。オッケーだよ」と解釈して良いと思う。
映画を見ていない人には、
何のことやらさっぱり分からないだろうが(興味があるなら、是非見てください)、
バカな僕なら、「あ、これ、イケるやつや」と思うだろう。
というわけで、また次回のレビューをお楽しみに。
オマ◯コ、マンマン!