※今回の記事には、詳細とまではいきませんが少しネタバレ的な記述があります。
各作品を未見の方はご注意ください。
いつぞやの記事で、
「外国語学習に精を出したいので映画レビューは減らす」と宣言したが、
それ以来、我ながら感心するレベルでそれが有言実行できている。
偉いぞ、俺(誰も褒めてくれないので、自分で自分を褒める)。
なので映画を見る(見に行く)機会がかなり減ったのだが、
そんな中、最近見た「花嫁はどこへ?」と「トラップ」、そして「十一人の賊軍」を、
100点満点採点で短めにレビューする。
まずは「花嫁はどこへ?」。
100点満点で、85点。
新婚の旦那が嫁を連れて里帰りする道中で、自分の嫁と他人の嫁を取り違えて、
全く関係のない女性を親元に連れ帰ってしまうという、
日本人の感覚からしたら「そんなバカな」という話ではあるのだが、
この作品で見受けられるインドならではの嫁入りの慣習を目の当たりにすると、
「ああ、なるほどね。こりゃ間違うかもね」と多少は合点がいくかもしれない(この慣習がインド全体でこうなのかどうかは僕にはわからない)。
途中から、大体どういうオチで物語が落ち着くのか察しがつくのだが、
それでも感動してしまう秀逸な作品。
僕の大好物であるインド映画ならではの唐突なダンスシーン(笑)はないが、
バックに流れる楽曲はどれもクセになるタイプの味のある曲ばかりで、
聴いていて中々に心地良いものがあった。
続いて「トラップ」(ネタバレあり)。
100点満点で、58点。
個人的には作品を見るたびに、
「なんだよそれ」というツッコミを入れざるを得ないM・ナイト・シャマラン監督の作品であるが、
今回、あくまで僕の印象としては、
あまりどんでん返し的な要素は見受けられず、
割とストレートな作風のように感じた。
しかし、相変わらず要所要所においてツッコミどころだらけであり、
後半でスター歌手が「あなたの家にお邪魔していい?」と、
殺人犯が生活している家に単身で乗り込むのは、
流石に「そんなわけないだろ。マネージャーなり誰かが護衛のために付いてくるか、『一人で家には入るな』と止められるって」と強めのツッコミを入れざるを得なかった。
で、この歌手というのがシャマラン監督の実の娘で、
確かに曲は良く出来ていたりして、
その実力については認めざるを得ないものがあるのだが、
性格のひん曲がった僕には、どうしても今作が「娘のプロモーションのための作品」のように感じてしまい、
シャマラン監督の親バカぶりに付き合わされたような感覚にもなった。
続いては「十一人の賊軍」(ほんのりネタバレあり)。
100点満点で、87点。
戊辰戦争の頃の話で、
新政府の樹立を目指す「官軍」と、
旧幕府体制の維持を標榜する「賊軍」の戦いを描いた時代劇(正確に言うと今作における「賊軍」は、そのほとんどが罪人たちで構成された「捨て駒部隊」であり、正規の意味での軍ではない)。
この作品におけるそれぞれの勢力の内情や謀(はかりごと)を事細かに説明しようとするとかなりの長文になってしまうので割愛するが、
「いつの時代も、政治の世界における大人の事情というものは、時に耐え難いレベルのやるせなさと犠牲を生む」という事実を見せつけてくれる。
かなり後味の悪い、悲しく理不尽な結末であるが、
戦争とはこういうものなのだろう。
2時間半くらいの長尺作であるが全くダレることなく見れた。
ツッコミどころもあるが、
演者さんたちによる迫真の演技と中身の濃さがそれらをマスキングしてしまい、
個人的にツッコミ要素の数々は、
作品全体の興を大いに削ぐような類のものではなかった。
最近、真田広之氏主演の「SHOGUN 将軍」というドラマが海外で高く評価されたが、
時代劇というジャンルは、今後も日本が映像作品を作る上での強力なアドバンテージになり得ると個人的には思う。
国内の需要の掘り起こしは、それはそれで大事なことではあると思うが、
外国人が唸るものを作れるポテンシャルが日本の時代劇には確実にあるような気がする。
以上、映画レビューでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。