シンゴさん日記

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(重要部のネタバレはなし)「ドラゴン・キングダム」 香港映画界が生んだ2大スター、ジャッキー・チェンとジェット・リーが初共演したカンフーファンタジー。

 

昨日は、自宅で「ドラゴン・キングダム」を鑑賞。

 

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2008年公開。

アメリカと香港の合作。

 

アメリカのボストンに住むカンフーオタクの高校生ジェイソンが、

中国系質店で、カンフー映画海賊版DVDを買い求めようとしたところ、

店の奥で金色に輝く棒を発見。

 

ジェイソンは、この棒を見て

「これは自分が夢の中で見た伝説的な武器に違いない」と思うのだが、

質店の店主(ジャッキー・チェン)の話によると、

その棒は「ただの棒」であって、

本当の持ち主が現れるまで、祖父の代から店で預かっているのだという。

 

その後、店からの帰り道の途中、

ジェイソンは不良たちに絡まれ、

「(お前が通っている)店に案内しろ」と言われる。

 

夜、ジェイソンと不良たちが店に到着した時は、

すでに営業時間外であったが、

店主はジェイソンの顔を見るなり、

親切にドアを開けてあげたのであった。

 

しかし、

ジェイソンに続いて不良たちが店に入ると、

彼らはいきなり「金を出せ!」と、

店主を脅迫し、店の中を荒らし始める。

 

それに対して店主は抵抗するが、

逆上し興奮した不良のリーダーが、

持っていた拳銃で店主を撃ってしまう。

 

撃たれた店主は、息も絶え絶えに「本当の持ち主にこれを返せ」と、

抵抗した際に武器として使った、

あの金色の棒をジェイソンに渡す。

 

そして、金色の棒を持って不良たちから逃げるジェイソンであったが、

ビルの屋上にたどり着いてしまい、逃げ場がなくなってしまう。

 

不良たちに追い詰められ、絶体絶命のジェイソン。

 

その時、金色の棒から不思議な力が働き、

ジェイソンを地上の方向へ押していく。

 

成す術もなく、ジェイソンはビルの屋上から飛び出してしまい落下。

 

あわや地面に激突か、というところでジェイソンが目を覚ますと、

そこはジェイソンの住むボストンとは似ても似つかない、

中国の農村を思わせる場所の、とある一軒家であった・・・・

という、あらすじ。

 

 

世代的にジャッキー・チェンの映画は、

大体見てきた僕。

 

酔拳」「スパルタンX」「プロジェクトA」

「ポリス・ストーリー」などなど・・・、

割と「直撃」と言ってもいい世代であるし、

 

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ジェット・リーリー・リンチェイ)の作品も

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズや、

「SPILIT スピリット」は見ている。

 

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ちなみに「ワンス・アポン〜」シリーズの主題歌「男兒當自強」(なんて読むのかわからん)は名曲。

 

本当に、あの映画のイメージにぴったりであるし、

一人の男が一念発起して、

何かしらの事を始める際の、

気持ちを奮い立たせるテーマソングとして格好の、珠玉の名曲であると思う。

 

(「男兒當自強」↓)

 

この曲は、

たしか「ワンス・アポン〜」の第一作目のオープニングで、

朝日か夕日かで真っ赤に染まったどこかの浜辺で、

頭をきれいに剃り上げた僧侶の集団が、

拳法の型の練習に励んでいるシーンで流れるのだが、

あのオープニングは、めちゃくちゃ燃える。

 

ちなみにこの曲はジャッキー・チェンが歌っているバージョンもある。

こちらの動画は「ワンス・アポン〜」のアクションシーンの一部が使用されているが、

全盛期のリー・リンチェイの体の動きは、

素晴らしいとしか言いようがない(↓)。

 

 

 

で、さらに「ちなみに」であるが、

「SPILIT スピリット」のエンドロールで流れる、

ジェイ・チョウが歌う主題歌「霍元甲(フォ・ユンジア)」も、僕の大のお気に入り。

何度聴いても、もうイントロからゾクゾクする。

カッコいい。

(ただ、僕の妹はこれを聴いた時、中国語のラップ的歌唱が珍しかったのか、

それともサビ部分の「フォーフォーフォフォー!フォーフォフォーフォー!」という合いの手(?)が面白く聴こえたのか、

「何この曲?!ウケるんやけど!」と、笑いながら聴いていた・・・。

まあ、何かを聴いてどう思うかは、人それぞれなので、それはそれで全然いいのだが)

 

(「霍元甲」↓再生回数は2000万回以上)

 

で、話を今回見た「ドラゴン・キングダム」に戻すが、

見終わっての感想としては、

「なんか物足りない」、

そして「話の展開がけっこう雑」ということである。

 

カンフーをベースにした格闘シーン、アクションシーンについては、

やはり「ジャッキー・チェンジェット・リーの初共演」という事を考えると、

もう少しトリッキーで、かつ視覚的に面白いものが見たかった、というのが正直な感想。

 

まあ、十分に質の高いことをやっているのは間違いないのだが、

やはり僕の期待が高すぎたのか、

特にジャッキーの年齢(この映画の公開当時、54歳)からくる衰えのせいなのか、

全盛期を知っている僕からすると、

いささか、この映画のアクションシーンは「少しばかり、ゆるい」と感じざるを得ない。

 

今の20代〜30代の若い人たちで、

ジャッキーの若かりし頃の映画を見たことがある人がどれくらいいるのか、

僕には見当もつかないが、

ハリウッド進出前のジャッキーは、

「ミスしたら重体、もしくは死亡してもおかしくない」という危険なアクションシーンのほとんどを、

その是非は別にして、

スタントマンを使わずに自分でこなしていたのである。

(参考動画↓)

 

もちろん、CGもなければワイヤーアクションもない時代である。

 

なので、この頃を知っている僕からすると、

この「ドラゴン・キングダム」という映画は、ファンタジーの世界を冒険するという、

どちらかと言うと、ある種の「ファミリー向け娯楽映画」であり、

そのような類の映画で展開されるアクションは、

やはりどこかしらに「ゆるさ」というか、

「(家族で楽しめる)安全さ」を抱えていたりするので、

僕のような「童心を取り戻すことが年々難しくなっている」オッサンには、

物足りなさと退屈さを覚えるシーンが多かったわけである。

 

まあでも「オッサンになったから」という理由以前に、

どうも僕は、昔から「ファンタジックな世界を舞台にした娯楽映画」が苦手な傾向がある。

 

僕にとっては「ハリー・ポッター」シリーズもイマイチだし、

ロード・オブ・ザ・リング」も第一作目で挫折、

若干ファンタジーとは毛色が違うかもしれないが、

パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズも、全然心に引っかからなかった。

 

好んで見続けているMCU作品であっても、

ファンタジー色が強い「マイティ・ソー」シリーズは、正直あまり好みではない。

 

そんな僕だから、

この「ドラゴン・キングダム」も、

いくらジャッキー・チェンジェット・リーが初共演したからと言って、

蓋を開けてみると

「うーん、まあやっぱり、こんな(ゆるい)感じだったか」と思ってしまったのは、

必然だったのかもしれない。

 

あと「物足りなさ」という事で痛切に感じたことは、

主人公のジェイソン役の子の存在感が薄い。

 

この役を演じるマイケル・アンガラノ本人には大変申し訳ない物言いになってしまうが、

この映画での役どころである「導かれし者」を演じるには、

いかんせん地味すぎたと思う。

 

(ジェイソン役のマイケル・アンガラノ↓)

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確かにジャッキー・チェンジェット・リーという2大スターを前にして、

堂々と渡り合える若手俳優をキャスティングするのも大変だとは思うが、

欲を言えば、もうすこし華がある俳優さんをジェイソン役に当ててほしかった。

 

ちょっとジェイソンは真面目すぎる面があったので、

僕としては、もうちょっと天然というか、バカっぽい感じの子のほうが、

「カンフーの修行を通して成長していくさま」をダイナミックに見せることが出来たのではないだろうか?

と思ってしまったわけである。

 

イメージ的には若かりし頃のマイケル・J・フォックスとか、

スパイダーマンを演じたトム・ホランドを彷彿とさせるような、

「陽気で親しみが持てるんだけど、ちょっとおバカで、おっちょこちょいなところがあるカンフーオタクの青年」

というキャラクターをジェイソン役にあてがったら、

この作品の魅力がもう少し増したかもしれない。

 

と言っても、このあたりに関しては、

ジャッキー・チェンジェット・リーの初の共演!」が、

この映画の当時の最大の売りであったので、

この2人の存在感を食ってしまうような白人俳優を選ぶことを、

敢えて避けたのかもしれないが。

 

という事で、

「ドラゴン・キングダム」の点数は、

僕としては100点満点で、59点。

 

世間的には高めの評価であったが、

少々期待が先行しすぎたせいか、

若干の肩透かしを感じたかな。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。