シンゴさん日記

100点満点採点で映画を評価した記事と、あと他愛もない雑談と。

(最後あたりの核心的ネタバレはなし)「アメイジング・スパイダーマン2」 ドラマ部分により力を入れているが、テンポに難あり。いかんせん眠かった。

 

昨日は自宅で「アメイジングスパイダーマン2」を鑑賞。

 

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全国の映画館で絶賛上映中の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」を見た後、

過去作を振り返ってみよう、という気持ちになり、

前回の映画レビュー記事では、

アメイジングスパイダーマン」を取り上げたが(リンク先↓)

https://shingosan.hateblo.jp/entry/2022/01/14/014152

 

今回レビューするのは、その続編である「アメイジングスパイダーマン2」。

 

スパイダーマンと戦う敵は、電気男エレクトロ。

 

エレクトロは元々、マックス・ディロンという名の男で、ピーターの恋人グウェンが働くオズコープ社の電気技師なのだが、

彼はオズコープ社内での事故によって、エレクトロという怪物に変身してしまう。

 

今回はこのエレクトロとスパイダーマンとの戦いが軸になっているのだが、

他にもオズコープ社の創設者ノーマン・オズボーンの息子ハリーとのなんだかんだや、

恋人グウェンとの別れる別れないのなんだかんだ、

そしてピーターの父親リチャードが秘密にしていた研究のなんだかんだで、

アクションエンタメ的な側面のみならず、

青春ドラマ的な側面、ミステリー的な側面なども兼ね備えた「要素が多め」の一本となっている。

 

そんな「アメイジングスパイダーマン2」を見ていて僕がまず抱いた感想は、

 

「長っ・・・・・。そして眠っ・・・・・。」であった(笑)。

 

そう、眠い。

「さあ、盛り上がるのか〜?」と思ったら、

ピーターとグウェンが、ゴニョゴニョ×2。

 

気を取り直して「さあそろそろ、爽快なアクションが見たいですねー!」と思ってても、

ピーターとグウェンが、またゴニョゴニョ×2。

 

とにかくテンポが良くない。

 

映像的には悪くない・・・どころか極めて秀逸と言えるレベルなので、

迫力あるアクションシーンをもう少し盛り込むか、上映時間を少し短縮するなりして、

もう少しテンポというものを重視して欲しかった。

 

オープニングこそ、スパイダーマンのノリが、

前作に比べ「チャラくてお調子者風」に描かれているものの、

基本的には、前作のシリアスな作風を引き継いでおり、

個人的にそれ自体はいいんだけれども、

今作は、いささか人間ドラマを描く事に執心が過ぎてしまい、

それが結果として「爽快なアクションエンタメ作品としてのスパイダーマン」との間に、

齟齬(そご)が生じてしまっているような質感を感じてしまった。

 

ネタバレになるので詳しくは書かないが、ハリー・オズボーンとスパイダーマンとの関係についても、

劇中に中途半端に絡めて一本の作品に収めてしまったせいで、

電気男の話も、ハリーの話も共にその話の濃さが薄まってしまった印象。

 

電気男とスパイダーマンの一騎打ち、もしくは

ハリーとスパイダーマンの一騎打ち、

どちらか一方に絞ってくれた方が尺も短くなるし、

見る側にとっても集中力を維持しやすい展開になったのではないだろうか?

 

ただ、この点のストーリー展開については、

もしかして「原作を忠実になぞった」としたなら仕方ないのかな、とも思う(ちなみに僕は原作のコミックは読んだ事がないので、そのあたりは知らないが)。

 

とにかく、一本の中で色々見せようとするのは、こないだ見た「スパイダーマン3」に通じるものを感じた(レビューのリンク先↓)。

https://shingosan.hateblo.jp/entry/2022/01/11/011925

 

スパイダーマン3」に通じる、という事は、僕にとっては、「正直いまいち」だったという事になる。

 

そしてさらに「スパイダーマン3」に通じるという事で言わせてもらうと、

スパイダーマン3」で、

砂男が出来上がる経緯、というか理屈が、僕の目からは「なんでそうなるの?」というものだったのだが、

今回の電気男に関しては、変身してしまうメカニズムが砂男以上によくわからない。

 

ここだけネタバレで書かせてもらうが、

電気技師マックスは、壊れてしまった配線をつなぎ直すために不安定な足場に乗り、

そこで感電して、電気ウナギが沢山泳いでいる水槽へ転落してしまうのだが、

そこで「もうこれ以上ない」というレベルで、ビリッビリに感電するのである。

 

ここで皆さん、普通に考えてみよう。

 

皆さんがもし、電気ウナギが沢山泳いでいる水槽に落ちたとしたら、どうなりますか?

 

そう。

感電しますよね。

 

そして、その後どうなりますか?

 

そう。

多分、死にますよね?

 

僕が落ちたとしても、やっぱり死ぬと思います。

 

けれど、マックスは感電して感電して、感電しまくって「電気男エレクトロ」になるんです。

 

なんで?(笑)

 

「このあたりのメカニズムというか、説明は一応してくれますよね?」と、

不安と期待を抱きながら、僕はこの後のストーリーを見ていたのだが、特にその説明は無し(笑)。

 

「電気ウナギ達と戯れたら、なんか知らんけど、体から放電できる電気男になりました」という感じで何の説明もないので、見終わった後もしばらくモヤモヤしていた。

 

そして、ここは流石に重要なネタバレになるので書かないが、最後は賛否両論分かれる結末を迎える。

 

ただ、僕はこの結末を見た時、

「ああ、これは公開当時にこの映画を見ておきたかったなあ。」と思った。

 

なぜなら、現在公開中の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は、クライマックスにおいて、明らかにこの結末をベースにしたシーンがあって、

前もってこの「アメイジングスパイダーマン2」を見た人にしか味わえない感動があるだろうからだ。

 

なので、この結末を見た時に、今作を経てから「ノー・ウェイ・ホーム」を見た人の事をちょっと羨ましいと思った。

 

そういった事を考慮すると、

「ノー・ウェイ・ホーム」を余す事なく楽しむには、この「アメイジングスパイダーマン2」は通過しておいて損はない作品だと言える。

 

・・・が、単体として見ると、僕としては冗長でいまいちな作品だった。

 

100点満点評価では、50点。

 

アクションシーンの映像はかなり良かった(と言っても、最後の最後、子供が出てくる展開は余計。なんかクサい、あれは)だけに、かなり残念。

 

という事で、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。